バロメーター58 ページ9
今のって。
――手のひら越しに、キスしたみたい。
「ここじゃないか」
「ああ」
二人の声に思わず目を開けると、ゼロ距離にある彼の赤い瞳と目が合った。
お互いのまつ毛が触れそうなくらい近い距離に、おそらく真っ赤な顔をしている私を見て、彼が満足そうに笑う。
少ししてから扉が閉まる音がして、二人の足音が部屋から消えた。
『ぶはっ』
爆豪君の手が離れた瞬間、机の下から這い出して足りない酸素を吸う。
いっぱい文句を言ってやりたいが、言葉が出ないくらい息が乱れている。
「フィギュアは半分野郎が持ってる、俺が奪うからお前が囮になれ」
……は？
『ばくごう、くん、待って、ほんとに』
「待たねぇ、早く行け」
信じられない、と彼を見ると、彼は手のひらで爆発を起こすと同時に私を部屋から放り出した。
この腐れ外道が。
「轟君！いた！」
『ぎゃぁぁあああ！』
まだ息も整ってないのに、廊下に投げ出された瞬間二人がもの凄い勢いで迫ってくる。
あのド鬼畜野郎が、絶対許さねえ。
ほんとになんだったんだあれは。
余韻ゼロで囮にされたし。
戸惑う暇も与えぬまま窮地に立たされて、準備も作戦もない私は息も絶え絶えで走り出した。
あああああ死ぬ死ぬ死ぬ。
『ちょっと待って、ほんとに待って』
轟君の氷と弾丸の様な緑谷君から必死で逃げる。
マジ許さねえあいつ、マジで許さねえいつか殺してやる。
しかもなるべく戦闘を避けてって相手は殺る気満々なんですけど？！
てかなんで追いかけてくるの？！
あなた達はフィギュアを守ればいいだけで私を捕まえる必要ないよね？！
とりあえず反撃はせずに頑張って逃げているがすぐに追いつかれそうだ。
後ろを見ると鬼気迫る顔の二人がすぐそこまで迫ってきている。
てか腐れ外道はどこ行った。
もうほんとに無理、限界。
爆豪君に口を押さえられていたせいで、いつもの半分も息が続かず、心臓が悲鳴を上げている。
……ああ！もうどうにでもなれ！
頼んだぞ腐れ外道。
覚悟を決めた私は、一番奥の部屋に入った。
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Selena(プロフ) - おいやみーさん» ご指摘ありがとうございます🙇♀️ 確かに言われてみればそうだ笑 原作を全て忠実に再現しきれているわけではないので、他にも矛盾点があるかもしれないですが、そこはご愛嬌という事でお願いします🥲 (1月6日 16時) (
レス) id: b337fdb84f (このIDを非表示/違反報告)
おいやみー - 志村転弧だと死柄木が思い出すのは髪が白くなった泥花事件以降では？ (1月1日 10時) (レス) @page34 id: df2aa3c6fc (このIDを非表示/違反報告)
う - 宇宙の塵ルートだけはwwwwwwおもしろすんぎぃっ (9月30日 18時) (レス) @page38 id: 7215328c99 (このIDを非表示/違反報告)
Selena(プロフ) - 秋田の肋骨さん» ご指摘ありがとうございます🙇♀️🙇♀️ (8月12日 23時) (レス) id: 17f1437868 (このIDを非表示/違反報告)
秋田の肋骨 - すき。めっちゃ好みです！ 修学旅行ではなく，林間合宿では、、、？ (8月12日 1時) (レス) @page50 id: 93fef38cdf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Selena | 作成日時：2023年3月24日 10時
