14 ページ15
.
「あぁっ、Aさん!!!」
私は男の子の腕を振りほどき、一心不乱に崖を登る
お願い、間に合って…!
急いで駆け上り、
「っらあああああ!!!」
腰に下げた剣を抜き、瓦礫目掛けて投げる
「す、すごい…!」
瓦礫は命中、銀時の上に迫っていた瓦礫は真っ二つに割れ、今度は私の方へ
「っ、!」
「A!!!!」
剣も無い私は丸腰だった
加えて、一瞬の恐怖で手に汗が滲み
「あ…」
私の手は崖から離れた
「Aー!!!!!」
銀時は私に手を伸ばす
当然、届くはずがない
「銀時!?」
「っ!!」
あろうことか彼は、私と一緒に崖を落ちたではないか
そして、そのまま銀時は私を抱き寄せた
「ちょ、銀時!!!」
「黙ってろ!!!」
「私なんかいい!銀時が死んじゃう!!」
「死なねぇよ」
「…っ」
そうじゃないんだよ
そう言って、あの人もいってしまった
銀時のその真っ直ぐな瞳が、余計不安になる
彼はそのまま私を庇うようにして下に落ちた
銀時の腕の中、私は蓋をした気持ちが零れそうだった
その気持ちを押し殺すように、固く目を閉じ彼の袖を握った
2人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ハル | 作成日時:2019年8月16日 21時