【男性声優】さ い だ ー が ー る ! ! ２【愛され】

▽遊びに来たの話。 ページ10

嫌な考えは追い払って、足を進める。

シリアス時期なのかわからないが、たまにこういうことばかり考えこんでしまう時がある。

そんな時は、誰かと楽しく喋るのが一番良い。
話している内に、何を考えていたのかすっかり忘れられる。


少し早足で鈴木の家まで歩いた。

寒々しくなってきた空を見つめて、はぁ…と白い息を吐く。
なんだか雲行きが怪しい気がする。

｢…重たいな。｣なんて雲にさえも同情していると、ﾋﾟｺﾝｯとスマホが鳴った。

ポケットから出して見ると、鈴木だ。
家を出る前に連絡したから、その続きだろう。

[そろそろ着く？]と聞かれたので、[あと1.2分もすれば着きます。]と返す。

すぐに既読がついて、OKというスタンプが届いた。


・

当たり前だが、一人暮らしの鈴木。
Aが住んでいるマンションと同じくらいの大きさの一室に住んでいる。

家の前まで来て、ピンポーン…とチャイムを鳴らした。

｢はーい｣と言う声と同時に、ドアが開く。

出てきた鈴木に ｢やっほですたっつん先輩。｣と手をあげると、｢おー。取り敢えず上がれよ。｣とさりげなく荷物を手に取った。

こういう所がモテんだな…なんて思いながら、｢うぃっ。｣と返事して玄関に上がる。



｢あ、私肉じゃが作ってきましたよ肉じゃが。｣

｢ポイント高いな嫁ぎに来たのか。｣

｢アホですか、昨日たまたま作ったんです。ほい。｣

｢さんきゅ。俺も今さっき豚キムチ出来上がったとこ。｣

｢豚キムチ！！たっつん先輩お手製の？！｣

｢そ。｣

｢うまそう！！｣

｢おいしそうな。｣

｢美味しそう！！｣





どこか新婚さんチック。

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