▽2 ページ41
ライブが始まり、一人ずつソロを歌いながら出てきた。
岡本、江口、梶、神谷、小野、斉藤、鈴木の順番で歌い、Aが出てくる間もなく七人の曲がはじまる。
Aが出てこないことに気づき始めた観客は、ざわざわし始めている。
歌い終われば、神谷の口から「Aはいない」事を伝える予定だ。
ジャーンッ…と歌が終わり、「ありがとうございましたー!」「さて、ここで大事なお話が…」と話し始める。
すると突然、どこか聞き覚えのあるイントロが流れ始めた。
・
・
Aが歌うのは、基本ボカロや有名な曲のカバーが殆どを占める。
もちろん自分のソロ歌がない訳では無い。
でも反響が大きいのは、やはりカバー曲だ。
そして、今流れているイントロ。
「バイビーベイビーサヨウナラ」は、Aのライブで歌う最初の曲。
思わず予想外のアクシデントにメンバー全員が動揺し、中央のステージを見つめた。
歌詞が始まると共にAの歌声が流れ始める。
いや、これは流れ始めたのではない。
生歌だ。
マイクを通して「首なくしたBabyBabyレディ、スカした顔で眼鏡をはずして…」と声が聞こえる。
キャーーっ!と沸き上がる黄色い歓声。
「Aー!」「Aちゃーん!!」と彼女の名前が、ファンに呼ばれる。
とうとうサビになった途端、ステージの中央からドォンッ!!とジャンプして現れた。
更に歓声が大きくなる。
「〜ったっだいまー!!」
梶「なっ…!」
[キャーーー!!]
[Aー!!待ってたよー!!!]
「王子はちょーっと遅れる方がカッコイイでしょ?」
江「…っえぇっと、A…?!」
「もーさっきあれほど私にちょっかい出してきたのになんで名前忘れるんですか!!
さっ、みんな元気してるー!?」
[キャー!!]
「まだまだ声出せるよなー!!」
[イェーーイ!!]
「じゃ私も、チュッ…。」
[いやぁぁぁっ!!!]
リップ音を添えると、ステージ上をアクロバティックにバク転する。
「ギャー!!」と声が高まる。
誰も、Aが足を骨折しているなんて気づいていない。
気づかせない。
.
888人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「男性声優」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
romishinlike(プロフ) - み ゅ ー ぽ む 。さん» レスありがとうございます。楽しみに待っています (2019年11月22日 16時) (レス) id: a4ecf0990e (このIDを非表示/違反報告)
み ゅ ー ぽ む 。(プロフ) - romishinlikeさん» はじめまして!前野さんとドライブですね!承りました〜!!書き次第、upするので良ければ続編も読んでやってください! (2019年11月22日 16時) (レス) id: 60c355a2ab (このIDを非表示/違反報告)
romishinlike(プロフ) - 初めまして。楽しく小説を読ませて頂いてます。リクエストがあるんですが、前野さんとドライブデートっていうお題で書いて欲しいです。よろしくお願いします (2019年11月21日 14時) (レス) id: a4ecf0990e (このIDを非表示/違反報告)
み ゅ ー ぽ む 。(プロフ) - 月闇甘音さん» なんとっ!直して参りますね〜!ご指摘ありがとうございます! (2019年1月17日 18時) (レス) id: 8c1d057699 (このIDを非表示/違反報告)
み ゅ ー ぽ む 。(プロフ) - 空さん» ありがとうございます!私も、骨折事態経験はないものの、ヒビが入った経験がありまして…。あの時は凄く痛かったです笑 これからもご愛読よろしくお願いします。 (2019年1月17日 18時) (レス) id: 8c1d057699 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ