【男性声優】さ い だ ー が ー る ! ! ２【愛され】

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普通に考えてみればそうだ。


あのスタッフさんは、彼女をいじめたくて彼氏を取ったわけじゃない。

ただ単純に、その彼とやらがたまたまスタッフさんを好きになったのだ。

言い方を変えれば、優柔不断…というより浮気した彼が一番悪い。

彼女に対して見切りをつけずに放ったらかしにした事も、自分の勝手でそのスタッフさんと関係を持った事も。

どう考えたって、男が悪い。


｢よく考えてみてくださいよ。｣と困ったようにAは言う。

もうやってしまったことは元には戻らない。
でも、それ以上悪化させないことならできる。

きっと、彼女が辛い思いをした時にAみたいな友人がいれば、こんなことにはならなかった。



｢貴方が、辛い思いする必要は無い。｣

？｢…｣

｢幸い私は足ちょっと痛いだけで済んでますし。ね？｣

？｢なんで…私なんかに同情するのよ。｣

｢同情ってゆーか…貴方綺麗な人なんだから、そんなネチネチした男に思い馳せるのは勿体ないですよ。｣

？｢…っ！｣

｢…私が経験したのは、奪われたことじゃない。奪った事、です。｣

｢…は……？｣

｢いーのいーの。ほら、早く行きましょ？｣

？｢っわかった…一緒に行けばいいんでしょ。なんだか馬鹿馬鹿しくなってきちゃった…。｣



そう言うと、｢早く前進んでよね。｣とAを急かしてきた。

見た目も小綺麗だし、そんな男に貢がなきゃこの先もっといいことがあったはずだ。


と言っても、機材の器物破損や殺人未遂なんかで警察行きは免れないだろう。

階段が後5.6段という所くらいまで来て、｢おいA！｣｢アホかてめぇ！！｣と先輩達が見える。



下に行ったら説教行きか…と悲しく思っていると、突然ﾄﾞﾝｯ…と背中を押された。


一瞬何が起きたかわからず、まるで映画のワンシーンのように一コマ一コマが鮮明に見える。









｢………え…。｣


｢Aっ！！！｣





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