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第40話『かっこいい方がいい!』 ページ41

杏奈side


「そろったな。ご苦労、諸君」

そう言った若武君に、小塚くんがUSBメモリーを差し出した。

「僕と黒木と神崎の間では、曲は格調を高くして気品を出すっていうことで合意したんだ」

うんうん。

「当然」

若武くんがそう言い、USBメモリーを受け取ると、テーブルの上に置いた自分のノートパソコンに差し込んだ。

「俺が踊る曲だからな」

どちらかと言えば美門くんのイメージに近いんだけど・・・。

「それでクラシックから選んで、アレンジしたんだ。二曲作ったから、好きな方を選んでよ」

「ベースにした曲は、『ハンガリア舞曲第5番ト短調』、それにバレエ曲『ガイーヌ』の中の『剣の舞』です」

パソコンから小塚君の人ピアノの音が流れる。

どちらも早く激しい曲で印象的な主旋律があり、中頃にはゆっくりとした優しいメロディーも入っていて、そしてラストが切って落とすみたいにかっこよくできていた。

小塚くんと黒木君、本当に凄かった。

私なんてアレンジに全然参加できなくて、イメージとかを私の独断と偏見で伝えたくらいだよ。

「ハチャトゥリアンの方がいい」

若武くんがそう言うと、すかさず美門くんも口を開いた。

「いや、ハンガリア舞曲の方がいい。こっちの方が、色んな技を組み込めそうなメロディーだから。ラストもきちっと決まりそうでしょ」

黒木君がちょっと笑う。

「若武先生がハチャトゥリアンを主張するのは、たぶんタイトルを気に入ってるだけさ」

何それ。超可愛い。

「タイトルって大事じゃん」

若武くんが恥ずかしげもなく言い張った。

「予選も本戦も、個人名と曲名が紹介されてから、踊るんだ。つまり曲名は、第1インパクトになる。『剣の舞』の方が目立つ」

上杉くんがくだらんことを言い出すなと言ったような目で睨みつけた。

「だったら、タイトルを『剣の舞』にしておいて、中身を『ハンガリー舞曲』にしろよ。どっちみち黒木のアレンジだろ。どんな曲にどんなタイトルをつけても、構やぁしない」

そんな乱暴な。

それは何だかヤだな。

私はそう思ったけど、若武くんはそれであっさり納得した。

若武くんって、意外と適当・・・。

第41話『デザイン画』→←第39話『可愛い』



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アーヤ(プロフ) - 住滝良さんのと、少し文が違って「ここ、本文あれだったよなw」って楽しいです! (2023年5月11日 21時) (レス) @page47 id: d9605ef4e5 (このIDを非表示/違反報告)
アーヤ(プロフ) - すごく面白いです!このまま、ストーリ続けてください。(あれ、完結してたっけ?)少しだけわがまま言うと、kzの皆は彩の親友(恋人?)ダァーッ! (2023年5月11日 21時) (レス) @page37 id: d9605ef4e5 (このIDを非表示/違反報告)
桜@ひなた - 面白すぎです!私はアーヤと若武推しです! (2023年2月12日 10時) (レス) id: fb711c9d23 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - まこさん» ありがとうございます!!黒木くんかっこいいですよね! (2020年10月30日 23時) (レス) id: 2b665a7700 (このIDを非表示/違反報告)
まこ - すごく面白いです! 私も黒木くん推しです! 更新待ってます! (2020年10月30日 17時) (レス) id: e335c0e9f3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年3月13日 20時

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