第25話『仲間になりたい』 ページ26
杏奈side
「オープン前のビルに入れるなんて、すごいね!」
私は今日、彩ちゃんと一緒にお昼ご飯を食べていた。
彩ちゃんからあの後の話を聞き、若武くんと美門くんのダンスの練習をオープン前のビルですることになったんだって知った。
「それにしても、探偵チームの人って、みんな個性があって面白そうな人だったね。私、また話してみたいな。」
「面白い?」
「うん。学校も性格も全然違うのに、同じ塾っていうだけであんな素敵な人達が集まって、ひとつのことに取り組んでる。そういうのって、なんだかすごく特別な感じがする。関係っていうか、なんていうか。上手くいえないけど、すごく羨ましい」
彩ちゃんは少し考えたような顔をしてから、ハッとして私に目を向けた。
「ねえ、杏奈ちゃん、探偵チームに入ってみない?」
探偵チームに?
私は少し驚く。
「私に探偵は難しいよ。頭も悪いし」
彩ちゃんは悲しそうに眉を下げる。
「入りたくない?」
「入りたくないかどうかと聞かれたら入りたいけど・・・でも、みんなが受けいれてくれるかどうか・・・」
彩ちゃんはまた少し考える。
「杏奈ちゃんって、なにか得意なこととかある?自慢出来ることとか。特殊な能力とか」
それなら、ひとつだけ、あった。
私は生まれつき耳が良くて、100メートル先の音までだったら、耳を済ませば聞こえる。
ほかにも、人が喋ってる声の音の高さや、周波数とかが分かる。
聴覚がすごく優れてるんだけど、これってある意味すごく迷惑。
夜眠ろうと思っても、外のうるさい声や音が全部聞こえてくるし、家族が少しでも動いたら全部聞こえてくるからなかなか眠れない。
小学校高学年からは、睡眠薬で眠る生活を繰り返している。
使えるかは分からないけど、私は自分の体質のことを彩ちゃんに話す。
すると、彩ちゃんは嬉しそうに目を輝かせた。
「それってすごいよ!十分すぎる!」
そうかな?
「でも、KZは多数決制度だから、みんなに聞いてOKもらえたら報告するね」
「うん。ありがとう」
その日の夜。
私の携帯に彩ちゃんから電話がかかってきて、みんながOKしたらしく、私は土曜日に、駅の新しいビルに行くことになった。
お試し入団としてね。
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アーヤ(プロフ) - 住滝良さんのと、少し文が違って「ここ、本文あれだったよなw」って楽しいです! (2023年5月11日 21時) (レス) @page47 id: d9605ef4e5 (このIDを非表示/違反報告)
アーヤ(プロフ) - すごく面白いです!このまま、ストーリ続けてください。(あれ、完結してたっけ?)少しだけわがまま言うと、kzの皆は彩の親友(恋人?)ダァーッ! (2023年5月11日 21時) (レス) @page37 id: d9605ef4e5 (このIDを非表示/違反報告)
桜@ひなた - 面白すぎです!私はアーヤと若武推しです! (2023年2月12日 10時) (レス) id: fb711c9d23 (このIDを非表示/違反報告)
澪(プロフ) - まこさん» ありがとうございます!!黒木くんかっこいいですよね! (2020年10月30日 23時) (レス) id: 2b665a7700 (このIDを非表示/違反報告)
まこ - すごく面白いです! 私も黒木くん推しです! 更新待ってます! (2020年10月30日 17時) (レス) id: e335c0e9f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:澪 | 作成日時:2020年3月13日 20時