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*
しまった。
4人で呆然と立ち尽くす。
目の前には閉まった校門。
全員、両手には大きな袋。
鉢や種、土やホース、エトセトラ……
「……嘘でしょ」
「あ、Aちゃん今日来たばかりだから知らなかったんだね、うちの閉門時間。
一応間に合うように切り上げたつもりだったけどなぁ……」
本当に、知らなかった。
ソクジン先輩曰くこの高校は19時に閉門するらしい。
「そりゃあまぁ、重いもの持ってましたしね」
ホソク先輩がため息をつく。
今の時間は19時20分。
「でも、先生の1人くらい……」
「お前ここの噂知ってて言ってるの?」
ジョングクくんから厳しい声が飛ぶ。
「恐らくあなたが言いたいであろうことは。
まぁ端的に言うと、いらっしゃるわけないってことですよね」
「そういうこと。
まぁ悩んでてもしょうがないんで。
ホソギヒョン、はい! お願いします。
ほら、A。お前のも持ってもらえ」
すっ、と私の袋も奪われる。
そしてそれらは全部ホソク先輩に。
ソクジン先輩のものもだ。
え、え?
「おっけー任せて!
A! 屋上の上でいいよね置くの。
俺ら以外は誰も来ないから、大丈夫!
じゃいってきます、ホビホビ〜!!」
呆気に取られているうちに、奇妙な掛け声とともに難なく閉まった校門を飛び越えるホソク先輩。
そのまま風のように校庭を駆け抜け。
ぴょん、とジャンプ。
すると気付けば彼は屋上に。
「えぇえ……?」
「驚いた?
アイツの能力は、体力増強。
荷物をもって屋上までジャンプなんて、
簡単なことなんだよ」
驚いた、なんてもんじゃない。
畑もできたら、なんて贅沢を言い煉瓦や肥料などもガッツリ買ったため荷物の総重量は1人10キロくらい……つまり40キロは軽くあったはず。
校舎も3フロアの上に屋上だ。
人間離れしすぎてる。凄い……
「ただいま〜!
じゃ、帰ろっか!!」
そうこうしているうちにホソク先輩は帰還。
「えっ、ホソギヒョン。
休憩しなくて大丈夫ですか?」
「んー、なんでか平気みたい。
ほら帰るぞジョングガ! 競走だ!!」
そしてわちゃわちゃと走り出す2人組。
「あっ待って2人共!
……もう、Aちゃんも行こっか。
って、大丈夫? 少し疲れた?
流石に僕らのペース早かったか」
汗かいてる、と
私の額に張り付いた前髪を払う先輩。
「あ、すみません。大丈夫です。
少し、運動不足でバテちゃったみたいで。
私達も、行きましょうか」
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