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「よし、この階だ。気を引き締めていくぞ。」

ナムジュン先輩の声に頷き、最後の一段を降り廊下へ出ると。

「遅かったじゃないです。意識があるうちに遺言でも残していましたか?」
「それにしても、お前程賢い生徒が兄の復讐のためだけにそっちにつくとはな。
知っているか?チェA、お前の無効化には距離制限があると。」

そこに立っていたのは2人の指導教員。
え、という暇もなくあの日ジン先輩を指導した鋭い風が一直線に飛んでくる。

「っ、『Save me』!!
ごめんねA反動我慢して!!」

暗い水色のような色の薄い壁が張られ、攻撃がすんでのところで跳ね返される。
ジン先輩のバリアだ。

「っ、なんで俺たちの作戦が筒抜けなんだ!?」
「こちらナムジュン!教師に俺たちの作戦が透けてる!」

「あぁ、そうだった。キムソクジンらも一緒だったか。じゃあ物理攻撃は無理そうだ。
なぁ、先生。俺たちは2人とも物理系だから不利だなぁ。」
「そうですねぇ。しかしそれは、能力のみ。私たちは2人とも物理系ですが、武道系です。
チョンジョングクを加算しても、キムソクジンのバリアを考えても、余裕でしょう。
チェAの無効化も効きません。」
「それに俺らは耳栓をしている。命令も聞こえない。
残念だったな、反乱の園芸部員ども。終わりだ。」

言った途端、素早く距離を詰めた教師2人。
勢いよくジン先輩のバリアを殴り割り、そのまま私を庇うようにグク君から離れ抱きしめた先輩を私もろとも蹴り飛ばす。

「っ先輩!」

「あーはは、大丈夫大丈夫。痛いけど。」

先輩の陰からもう一人を窺うと、透明化を解いてブレザーを脱いだグク君が教師と組みあっていた。
捲られたその袖からは太く血管の張った筋肉質な腕が見えていて、可愛い顔からは考えられないくらいちゃんと"男の子"なんだなと場違いにも思った。

「さて、俺らも何とかしないとね。」

「何とか?防御と無効のあなたたちに何ができるんです?
チョンジョングクとは違い、体術や運動が得意ではなさそうですし。」

能力を使うまでもない、とストレッチをしながら嬲るようにゆっくりと近づいてくる教師。

「でもさ先生……僕もこの3年間、ボーっとサボってた訳じゃないんだよね。」

手を鉄砲の形にして教師に向ける先輩。

「パクジミンの真似事ですか?」

「言われてるぞワールドワイドハンサム キムソクジン!僕ならやれる!!

Shoot!」

その指から放たれた鋭い弾は、教師を体ごと反対側の壁にたたきつけた。

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作者名:朔夜 | 作者ホームページ:無し  
作成日時:2019年3月12日 20時

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