004-V ページ4
＊
「なんでしょう、キム テヒョン先輩」
向けられる静かな瞳。
悪く言えば無機質な視線。ロボットみたい。
「まず、1つ目。
俺に向けて嘘を言ってみて。
さっきの状況を見ると、俺の能力が反応してるのか分かんない」
俺の能力はその人の方に気を向けると相手の嘘が分かる、というもの。
反動は頭痛。大したことはないんだけど、使いすぎると気を失いそうなくらいは痛い。だから普段は人にほぼ無関心でいるようにしてる。
「嘘……と言われましても」
まぁ嘘が分かるってだけで、何が本当かまでは全く分からないんだけど。
こう、なんていうか嘘をついてる人は、体の周りにぶわぁって赤いオーラみたいなのが漂うんだよね。
「じゃあ今から僕が何個か質問するからそれに全部『はい』って答えてね」
「はい」
「1つ目、あなたは男ですか？」
どうだ？
「はい」
ぼんやりと赤く光る。
ということは俺の能力は無効の影響を受けない。
つまり名前、転校生であること、能力は少なくとも本当だということ。
「2つ目、あなたは女ですか？」
「はい」
光は消える。
「最後。
あなたはここに来るまでに大人から、何か飲まされたり、食べさせられたりしましたか？」
「はい」
ぼんやり光る。
ジミンがそばに戻ってくる。
「テヒョンア、どうだって？」
「飲んでないってよ。
俺の能力は、正常に作動してる」
みんながほっと一息つくのを感じた。
転校生ちゃん1人困惑の顔だが。
「じゃあ、この子の能力の発動条件って……？」
ジニヒョンの疑問にみんなが首を捻ると。
「………次。俺いい？」
低い声が挟まれる。
「ユンギヒョン。いつから起きて？」
転校生ちゃんがここに入ってきて、しばらくしたら
さして興味なげに居眠りを続行していたユンギヒョン。
「んー……入ってきてから、ジミンが床に発砲するのを見て寝て、ジョングギの透明化が解けた時に起きた。
まぁ話は大体この現場見たら分かるわ」
周りが静かになると、ゴーサインだと判断したのかゆっくりと身を起こし俺らの隙間を歩く。
そして転校生ちゃんの真ん前で止まる。
今まで彼女の近くに立ったのはジミンだったりジョングクだったり、割と大きめの人だったから分からなかったが……彼女は案外大柄なようだ。
ユンギヒョンとさして身長差がない。
「俺、3Cのミン ユンギ。
ちょっと触るぞ」
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