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『……ねぇ、A。
最近、多くない?呼び出し。』
ある日の帰り道、ぽつりとこぼすのはグクくん。
確かにユンギ先輩に
2度目の保護をしてもらって以降、
私の呼び出し回数は週3以上に上っていた。
「そうかな?」
勿論全部肩代わりしろというものだが。
それはこちらとしてもありがたくあった。
兄の死が判明してから、
私は初めてその部屋に立ち入った。
品物の整理と、少しの好奇心だった。
部屋に入った途端、目に入るのは
これでもかという程の紙、紙、紙。
見れば全て、この学校の資料だった。
教員の名前、能力と反動だけではない。
何曜日にどの先生がいるか。
或いは校内の構造まで詳しく記されているもの。
おかげで私は呼ばれたとしても何をされるか、 しっかりと把握できている。
『でも、最近
俺の事見えてない時増えたよね?
俺がこの状態で話しかけても、
反応がない時多いけど。』
「そんな、水曜だけだよ。」
自分の反動は把握しているんだから、
どんな症状が出るかさえ分かっていれば
何も怖いものはない。
『…あれ、Aも把握してたんだね。
教員の配属。』
「そりゃまぁ、あんだけ呼ばれれば。」
ごめん嘘、
ありがとう我が兄イェジュニオッパ。
すると後ろから響く声。
「うっそだ〜」
『あ。』
「…どうしたんですかね、テヒョン先輩。」
そのまま私の隣にサッと並ぶ先輩。
「ジミン先輩は?」
「ん?ジミナ?ヒョン達のとこ。
それよりA。
今、なんで、嘘ついた?
グガと話してたんだよね。
なに、話してたの?
先輩に、正直に、言ってごらん。」
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