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021-JK ページ21




Aが戻ってきたのは、始業ギリギリだった。
あまり大きな声では言えないが
少し、いやかなり心配していた。

昨日の一件以降、彼女が指導対象に入る可能性は
否定できないから。
「……なんだった?」


しかし俺はこのあとの言葉に、
思わず息を呑むことになる。


「あぁ、ソクジン先輩が指導されてて。
なんでも他の生徒達─特に3年に
この学校の悪い噂を言って回っていたらしく。

彼の能力ってバリアだったんだね。
先生が困ってたので、ヘルプに呼ばれたみたい。
今回の先生は昨日の先生と違って
もろ物理攻撃だったから、不利だったぽい。」

はー疲れた、と溜め息を吐くA。
「ま、待って……A。」

ん?と小首を傾げられる。
「お前……
ジニヒョンの指導、黙って見てたのか…?」

「うん、そりゃ。私指導対象外だし。
まぁ正確には彼の腕掴み続けてたけど。
アレってバリアに直で触れるか、
彼自身に触れ続けないと
無効化できないんだね。おかげで腕へろへろ。」
不便、と呟くA。

い、いや。そうじゃないだろ…?
俺の視線を感じ取ったのか、
教科書の準備をしていた目がこちらを向く。
「そんな、人でなしを見るような目で
見ないでくれるかな。

私、グクくんに言っておいたよね?
大人側に従う、って。
昨日先輩たちを逃がしたのは、
グクくんが頭を下げたから。
あのあと私も言い逃れ大変だったんだから。

これでソクジン先輩を庇わなかった私を責めるの
明らかに間違ってる。
先生の聞いてるところで失言をした
先輩の方が明らかに悪いでしょう。」

その目線は少しだけ鋭く、怒りを帯びている。
お互いが沈黙し、しばらく経ったとき
始業の予鈴が鳴り、ともに入室する国語教師。
「よし、全員出席しているな。
それでは授業を開始する。」


ノートだけ取りつつ実際は上の空で
考えるのはジニヒョンとAのこと。

多分捕まったのは衝撃波を放つあの先生だろう。
反動は倒れるように寝…ってそうだ。
アイツは今先生の反動をかぶった状態。

ちら、と隣を盗み見る。
しかし眠そうな様子すらない。

違う先生…?
でも生徒指導に物理系教員は他にいない。
でも先生の反動は、ユンギヒョンが
能力で調べているから間違いない。
ということは、彼女の反動が違う?

うーん、でもそしたら
ユンギヒョンがメガネを貸していることの
説明がつかない。

「おい、チョンジョングク!聞いているのか!
教科書を読み上げろ!」

「はっはい!」

とりあえず、あとで考えるか。

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作者名:朔夜 | 作者ホームページ:無し  
作成日時:2019年3月12日 20時

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