003-RM ページ3
*
困ったことになった、と内心頭を抱える。
俺の能力は、命令。
発動条件は、相手の本名を呼ぶこと。
基本的に、ここに立ち入った人間はこれで二度と来ないようにしていた。
しかしそれが使えないとなると。
「そういえばナムジュン? さん」
「はい、2年A組のキム ナムジュンです。
なんでしょう。えっと……」
そうだ、名前が分からないんだった。
「その事なんですけど、能力使うのに
フルネームが、必要だから聞いたんですよね?
なら多分大丈夫です。私の名前は、●● ●●。
A、とお呼びください」
今度はしっかりと耳に届いた、彼女の名前。
「A……さん。
あと2つ、いいですか?」
「はい」
ついでに疑問を全てぶつけることにした。
「あなたの能力のフィードバックは?
そんなチートじみた能力なら絶対に、反動も大きいはず。」
そう、この能力には多かれ少なかれ『反動』というものが存在する。
それは強力な能力になるにつれ大きくなる。
因みに俺の反動は力の加減が利かなくなる、というもの。なんというか、筋肉が自分のものじゃなくなる感じで。
普通に物を持っても木っ端微塵になったり、言葉にすると大したことなさそうだが……割とこれが大変なんだ。
絶対彼女のものは重いはず。
ならその穴を縫えば、俺の命令も効果を持つのではと考えたんだ。
「言えないです、それは。
ただ、あなた方に害を生むことはないので……部活動くらいは許してください。」
言えない。それ程までに重いのか。
ということは、彼女に無効をさせ続ければ……いつかは命令が効く可能性が高い。それだけでも収穫だ。
「じゃあ次。
今この屋上に人は何人いる?」
「私を含めて、8人」
だろうな。
「おいジョングギ。普通にバレてるぞ」
俺が空中に声をかけると
そこから浮き出るように現れるジョングギ。
「知ってますよ………?」
ん?おかしい。
ジョングクの能力『透明化』の反動はしばらく口がきけなくなる─まぁ実際は声が出なくなる─というものなのだが、今こいつの声は普通に聞こえた。
本人も困惑しているようで首を傾げている。
まぁ、これが黄金マンネの実力なのだろう。
本当は別の意味で呼んでいるんだが、やっぱりこいつは黄金だったようだ。
「じゃあ次! 俺いい?
あ、俺2Cのキム テヒョン!」
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