Blindly Obeys (ページ20)

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「おはようグクくん。
ちゃんと来てるんだね、真面目。」

朝、僅かな不安とともに教室の戸を開けると
私の1つとび出た席の隣。
その新しく増えた席につき
朝からぶすくれた顔の彼を見て一安心する。
「当然。ヒョンの為ならなんでもするって、
言ったのは俺だし。はい昨日のノート。

ってそのメガネ。
ヒョンのだよね、なんで?」

差し出されたノートに目を通す。
ノート、といってもリフィルノートのページを
乱雑にまとめたものだが。
可能性としては
授業に出ているナムジュン先輩から借りたか、
購買で買ったか。おお、意外に美文字。
それで、なんだっけ。メガネか。
「うん、ユンギ先輩から借りたやつ。
昨日別れ際に借りた。

理由はグクくん勘づいてるんじゃ?」

視力なんて大したことない、と
そう思っていたけど。
それは風呂から上がったくらいから
間違いだったと気付かされた。
自分が今どこにいるのか、
真っ直ぐ道の上を歩いているのか、
それさえも怪しいくらいにぼやける視界。
先輩のメガネもフレームの厚さより
レンズが分厚いくらいキツかったので、
恐らくこれが平常なのだろう。
ユンギ先輩も大変だなぁ。

「反動のこと?
ユンギヒョンから聞いたんだ、俺の予想。

その感じだと当たってたっぽいね。」

つくづく思う、彼は鋭いしよく見てると。
「いつからそうじゃないかと思ってたの?」

「きっかけは違和感。

屋上で。俺が透明化を解いた直後
普通に会話ができたこと。
ジミニヒョンが貧血起こさなかったこと。
テヒョニヒョンが頭を抑えなかったこと。
ユンギヒョンが翌日普通に裸眼で歩いてたこと。

買い出しに行った時。
ホソギヒョンがあんなに動いて
汗ひとつかいていなかったこと。
それから走ってもないのに、
ホソギヒョンが戻ってきてから
張り付くほどの汗をかいていたこと。」

つまりは。
「初日から薄々感じてた、と。」

私もこの反動が今始まった訳じゃないから
周りに勘づかれないように
色々頑張ってたんだけどなぁ。
「言ったじゃん。警戒してるって。

まぁ、ヒョン達の借りもあるから
他には言わないどいてあげる。
…ああ、ユンギヒョンは口硬いから
信用しといていいよ。」

「ありがとう。」
するとふいっと背けられる顔。
照れているのだろうか。

「…それから。

生徒指導室が呼んでた。
朝のSHRには出なくていいから至急来いって。
何したの?」

「何も。とりあえず行ってみる。」

「…気を付けてよ。」
うぅん、やっぱ優しい。