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20。 ページ20
ア『長居するつもりはないからさ、簡潔に言っとくかなぁ』
ズンズンと顔を近づけてきた。終始固まっていた俺はそれにも動くことは出来なくて。
ア『ショウくんの事、覚えてる？』
「え、あ、あれですよね？あの悪魔さん」
ア『うん、まぁ、そうなんだけど、悪魔じゃなくて人間のショウくん！』
そこで、何度も引っかかっている事を思い出した
あの丘の景色もそうだ。隣に母以外の姿があったはずで─────
「分かりません…」
ア『ま、そうだよね〜。とにかくさ、ショウくんの事、絶対死ぬ前に思い出してね？』
「いや、思い出してねって言われても……」
確かに俺の忘れている事は彼なんだろう。
だけど思い出せない
岩のような何かで塞がれているようだ。
「あの………って、あれ？」
顔を上げるともう悪魔は居なくて
「ショウくん………」
呟いてもよく分からず。
いつの間にかお昼になっていて。
ふと、いつか見せてくれたスーツ姿の彼の写真をおもいだしていた
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