心に負った深い傷 13 ページ40
智サイド
気づいた時には完全にパニックになっていた和。それを翔が身を呈して守ってくれてる。
僕にできることを…って思って洗面所に入ってバスタオルを手に2人に近付き、頭をすっぽり覆った。
視覚を遮ることで少しでも刺激を減らすのが目的で、和にはかなり有効だから。
その様子を見ていた雅紀は、潤を連れ出してくれた。
これで耳から入る刺激も最小限にできる。
翔は特に何かを伝えた訳ではないけど、黙って動きを制限しているだけで、じっとしていてくれた。
良く観察していると、突っ張るように力を入れていた和の足がダランとしたのが見て取れた。
「かーず…」
試しに声を掛けてみたけど、再びパニックになることはなかった。
大丈夫かな…
そう思って、翔の足を退かせて、
「大丈夫だぞぉ」
声を掛けながら抱き上げた。
抱き上げた和は、さっきまでとは真逆で全く力が入らない様子で、ぐったりって表現がぴったりくる。
そんな状態を見ていた翔が、クリニックに行ってくると言い残して飛び出して行って、取り残された僕たち。
とにかく明るい所で、ケガの状態とかを診てやらないとって思ってリビングに戻ると、
「智にぃ、そこ使って？」
ゆかがダイニングテーブルに毛布を敷いて、即席の診察台を作っていてくれた。
そして和をチラッと見たあと、
「すぐホットタオル作るからね？」
って、キッチンに入って行った。
「和、ちょっとここにゴロンするよー」
びっくりさせないようにと思って声を掛けたんだけど、僕の腕に腕を絡みつけるようにして離れなくなってしまった。
「かーず、パパいるから大丈夫だよ？」
安心させてやろうとゆっくり背中を擦ってやる。
そうしていると、翔と雅紀がほぼ同時に帰ってきて、ゆかも大量のホットタオルを手に戻ってきた。
和？パパたちみんなで元気にしてやるからな…
和を囲むようにして集まった4人、無言で頷きあった。
それからの僕たちは早かった。
翔は嘔吐の原因、自家中毒を治療するための点滴を。
雅紀は額の傷を診たり、手足に問題がないかを診てくれた。
僕とゆかは、汚れてしまった服を脱がせ、温かいタオルで体をキレイにして、着替えさせた。
少し落ち着いたところで、
「俺とゆかは先に行ってるね？
翔にぃはゆっくり来て？急患対応って言っておくから…」
雅紀が気を利かせて言ってくれ、翔も『頼む』って。
この後１人にはできないし、どうしようかね、翔？
顔を見合せ、2人して苦笑いを浮かべた。
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棗(プロフ) - パスワード申請します 。 いつも、拝見させていただいてます。 (2019年2月14日 20時) (
レス) id: ef140653c3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆか(プロフ) - パスワード申請します。 お願いします。 毎回楽しく読ませて頂いております。 (2019年2月14日 16時) (レス) id: 03009ea5b3 (このIDを非表示/違反報告)
rietan(プロフ) - パスワード申請します いつも楽しみに読ませてもらっています 疲れた心が癒されます (2019年2月14日 0時) (レス) id: 09ada2be90 (このIDを非表示/違反報告)
シナモン(プロフ) - こんばんは。パスワード申請お願いします。いつも、楽しく拝見させて頂いています。ドキドキしたり、ほっこりした気持ちになります。これからも、楽しみにしていますので無理の無いように更新楽しみにしてます。 (2019年2月14日 0時) (レス) id: bd8fca3fd7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - パスワード申請 いつも拝見させていただいてます。 (2019年2月13日 21時) (レス) id: 1d2222a8c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：虹
| 作成日時：2019年1月19日 21時
