心に負った深い傷 3 ページ30
翔サイド
養護教諭に聞いた話に愕然とした。
朝、教室に入った時からクラスメイトの数人たちに『お漏らし和くん』と囃し立てられた和。
それから休み時間の度、そう言われ続けたらしい。
これだけでも和を痛め付けるには十分だったのに、さらにエスカレートさせた悪ガキども。
3時間目の授業が終わってトイレに向かった和を追いかけたそいつらは、和の前に立ち塞がりトイレに入らせなかったらしい。
『また漏らせば良いだろ？』
って、言って。
それでも和は我慢して次の授業を受け、給食前にもう一度トイレに駆け込んだらしい。
それをまた追ってきた奴らに阻まれ、ついに漏らしてしまったんだそう。
それを見ていたクラスの女の子が、堪らず先生に言いに行ったことで全てが発覚した。
保健室に連れて行かれた和だけど、理解できないことが立て続けに起こり過ぎて、パニックに陥ったのは想像に難くない。
和が泣きわめいて自らの腕に噛み付いたり、頭を壁に打ち付けたりするのを担任と2人で何とか止めさせ、けやき学級の松岡先生に来てもらって、漸く今の状態なのだと話してくれた先生。
短い時間で何度も『申し訳ありません』って言ってくれたけど、俺に謝ってくれたって仕方ない。
今は一刻も早く和を連れて帰り、安心できる空間でゆっくり休ませてやりたい。俺が考えたのはそれだけ。
「とにかく連れて帰ります。話は後程…」
そっけないとも言えるそんな言葉を発するのだって、やっとのことだった。
それくらい和の気持ちを思えば、悔しくて辛くて…
抱き上げた和はまだ小さく震えていて、すぐに痛い位俺の首にしがみついてきて泣きじゃくった。
その姿からどれ程の屈辱を味わったのかが伝わってきて、俺まで悔しくて辛くて何とも言えない気持ちになった。
「雅紀、運転頼む」
結局、家に帰るまでに俺がしゃべったのはこの一言だけだった。
雅紀はクリニックに電話をして、あれこれゆかに指示をしてくれてたけど、その間も俺はただただ和を抱きしめていただけ。
家の駐車場に車を停めるため、バックを始めた時、和の体が波打ち嘔吐した。
車にあったブランケットを広げ、
「和、我慢しなくていいから、全部出しちゃえ」
背中を擦ってやると何度も体が波打つ。だけど給食前ってこともあって胃液しか出て来なくて、また苦しい思いをしてしまった和。
少し治まった所で車から降ろしたけど、顔面蒼白でぐったりした和に俺までガックリ肩を落とした。
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棗(プロフ) - パスワード申請します 。 いつも、拝見させていただいてます。 (2019年2月14日 20時) (
レス) id: ef140653c3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆか(プロフ) - パスワード申請します。 お願いします。 毎回楽しく読ませて頂いております。 (2019年2月14日 16時) (レス) id: 03009ea5b3 (このIDを非表示/違反報告)
rietan(プロフ) - パスワード申請します いつも楽しみに読ませてもらっています 疲れた心が癒されます (2019年2月14日 0時) (レス) id: 09ada2be90 (このIDを非表示/違反報告)
シナモン(プロフ) - こんばんは。パスワード申請お願いします。いつも、楽しく拝見させて頂いています。ドキドキしたり、ほっこりした気持ちになります。これからも、楽しみにしていますので無理の無いように更新楽しみにしてます。 (2019年2月14日 0時) (レス) id: bd8fca3fd7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - パスワード申請 いつも拝見させていただいてます。 (2019年2月13日 21時) (レス) id: 1d2222a8c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：虹
| 作成日時：2019年1月19日 21時
