学校生活 5 ページ24
翔サイド
「雅紀、そろそろ帰って来るかな？」
午前の診察が残り2人になって、次の患者さんを呼ぶ前に横にきたゆうこにそう訊くと、
「30分くらいって言ってたから、もう帰ってくる頃かな？
翔先生は雅紀先生じゃなくて、和くんを待ってるんでしょ？」
ははっ！バレバレだ(笑)
「和はね、俺たちが思ってるよりずっと繊細だから、ホント心配なんだよ。
ま、早く終わらせちゃおう。じゃないと顔を見に行くこともできねぇから」
和のことは気になるけど、今は仕事。
そう自分に言い聞かせ、仕事に集中した。
「お大事にしてください。じゃあね、バイバーイ」
涙目で手を振る女の子とお母さんに挨拶をして見送った俺は、ちょっと前に帰ってきた和の元へと急ぐ。
「和ー、どうした、ん？」
処置室のベッドに腰かけている和の横に、座って顔を覗き込んだけど、視線すら合わない。
こりゃ色んな意味で重症だなって、一目見て分かった(苦笑)
「翔にぃ、ちょっといい？」
雅紀が小さく手招きして俺を呼び出した。
「ちょっと見てて」
器材の整理をしていたゆかに和をお願いして、2人して処置室を出ると、
「ひっとこともしゃべんないんだけど」
って、困り果てたような顔で言う雅紀。
それから迎えに行った時のことを詳しく話してくれた。
それを聞いて俺じゃなくて、智にぃの出番だなって思ったけど、智にぃはあと１時間は来れないだろうから、どうしようかと頭を悩ませた。
でも一先ず和の話を聞こうと再び隣に座った。
「和、学校で何があった？」
もう一度聞いてみたけどやっぱり返事はない。
質問が漠然とし過ぎてるせいでどう答えていいか分からないのかもってことに気づき、分かりやすい言葉を探す。
焦らず１つずつ起きたことを整理していくことにした。
「和、和は漏らしたこと恥ずかしいって思ってる？」
俺の質問にコクンと頷いた。
「そっかぁ、恥ずかしかったか…
そうだよな、いつもちゃんとできることを失敗しちゃうと恥ずかしいし悔しいよな？
じゃこれから失敗しない方法を一緒に考えよう。
今日はなんで我慢しちゃった？休み時間に行けなかった？」
それからホントに時間を掛けて聞き出した。
体育館で漏らしたこと。そこに行く前にトイレに行こうとしたけど、チャイムが鳴ってしまって慌ててしまったこと。
近くに先生がいなくて、トイレに行きたいって言えなかったこと。
小さな声だったけど、頑張って話してくれた。
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棗(プロフ) - パスワード申請します 。 いつも、拝見させていただいてます。 (2019年2月14日 20時) (
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ゆか(プロフ) - パスワード申請します。 お願いします。 毎回楽しく読ませて頂いております。 (2019年2月14日 16時) (レス) id: 03009ea5b3 (このIDを非表示/違反報告)
rietan(プロフ) - パスワード申請します いつも楽しみに読ませてもらっています 疲れた心が癒されます (2019年2月14日 0時) (レス) id: 09ada2be90 (このIDを非表示/違反報告)
シナモン(プロフ) - こんばんは。パスワード申請お願いします。いつも、楽しく拝見させて頂いています。ドキドキしたり、ほっこりした気持ちになります。これからも、楽しみにしていますので無理の無いように更新楽しみにしてます。 (2019年2月14日 0時) (レス) id: bd8fca3fd7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - パスワード申請 いつも拝見させていただいてます。 (2019年2月13日 21時) (レス) id: 1d2222a8c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：虹
| 作成日時：2019年1月19日 21時
