学校生活 4 ページ23
「かーず、まーにぃ来たよ？」
もう一度、努めて柔らかい声で。
そっと頭に掛かっているタオルケットをずらすと、うるうるの瞳が表れた。
悔しかったんだよな？恥ずかしいってのもあったかな？
ツーっと流れていく涙を見て、そう思った。
何か言いたそうにしている和に、
「なーんも心配しなくていいよ。大丈夫だから。まーにぃとお家に帰ろう、な？」
頭を一撫でして言って、タオルケットを剥ぎ取った。
「お着替えだけしようか？寒くなるといけないから」
まだ濡れたままでいるのが分かったからそう言ったんだけど、和はフルフル首を横に振って拒否。
手に握っていたパンツとズボンを見せて、
「ヤなの？まーにぃ持って来たよ、和のお気に入りの…」
和はスーっと手を伸ばしてきて、パンツを掴んだ。
「ん。着替えような？」
着替えている間は全くの無表情。
だけどその無表情こそが和の悔しさの表現だと何となく思えたから、何も言わず着替え終わった和を抱き上げ、腕に座らせるようにしてそこから出た。
「すみませんでした。
これ、洗濯してお返ししますので」
畳んだタオルケットを見せながら言うと、
「あ、そんなの気にしないで下さい。それより、お着替えできたのね、和也くん」
「着替えしたくないって言ったの？」
和に訊くと俺の肩口に顔を埋めて答えない(苦笑)
「学校にも着替えの準備はあるので、着替えようって何度も言ったんですけど、何でか嫌だったみたいです」
「そうだったんですね。すみません、お手数お掛けして。
また後で連絡させてもらいますので、今日はこのまま連れて帰ります」
俺の言葉を予想していたのか、
「担任もその方が良いと思ってたみたいで、荷物ここにあります」
って、ランドセルを持ってきてくれた。
「和、ランドセルも持たないとだから車まで歩いて？」
荷物の多さにそう言ったんだけど、フルフル首を振ってより一層ピッタリくっついてきた。
そんな俺たちを見ていた先生は、俺が手に持っていた洗濯物を取り、和の服だけをビニール袋に入れてくれて、
「パパの抱っこが安心なんだもんね。
ゆっくり休んで元気になったら学校に来てね？」
って、そっと和の後ろ頭を撫でてくれた。
丁寧にお礼を言って学校を出たけど、結局帰りつくまで一言もしゃべらなかった和。
「和？まーにぃ心配だから翔パパのとこ行ってちょっと診てもらおうか？」
車から降ろしながら言ってみたけど、やっぱり何も言わない。
どうしたんだろ…
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棗(プロフ) - パスワード申請します 。 いつも、拝見させていただいてます。 (2019年2月14日 20時) (
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ゆか(プロフ) - パスワード申請します。 お願いします。 毎回楽しく読ませて頂いております。 (2019年2月14日 16時) (レス) id: 03009ea5b3 (このIDを非表示/違反報告)
rietan(プロフ) - パスワード申請します いつも楽しみに読ませてもらっています 疲れた心が癒されます (2019年2月14日 0時) (レス) id: 09ada2be90 (このIDを非表示/違反報告)
シナモン(プロフ) - こんばんは。パスワード申請お願いします。いつも、楽しく拝見させて頂いています。ドキドキしたり、ほっこりした気持ちになります。これからも、楽しみにしていますので無理の無いように更新楽しみにしてます。 (2019年2月14日 0時) (レス) id: bd8fca3fd7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - パスワード申請 いつも拝見させていただいてます。 (2019年2月13日 21時) (レス) id: 1d2222a8c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：虹
| 作成日時：2019年1月19日 21時
