君のいる朝 19 ページ23
スカサハはこう言ったのだ。
「嫌われることを無意識に避けただろう」と。オルタを焼き払わなかったキャスターの行為は、マスターの心を傷つけたくないがためのおそれだと。
見透かして欲しくない部分を簡単にさらけ出す女を、けれどキャスターは憎めない。言われなければ気がつけなかった、本心だからだ。
「……あーあ、あんたにはまだかないっこねぇな」
聞こえないだろうからと、子どもじみた白旗をあげた。
ーーーー一方の管制室では、サーヴァントとロマニが論戦による攻防を繰り広げていた。
「いやだから、大丈夫だって」
「いけません、休みなさいこの病人。社畜」
「僕が社畜で何が悪いっていうんだい?!」
「トップのオーバーワークでしか成り立たないならもっと人を育てなさいドクター。あなたがいないと何も出来ない職員を量産するつもりですか」
ぐさぐさと、カルデアの職員に突き刺さる容赦ない正論だ。気にとめないのは天才のダ・ヴィンチくらいのものである。「あんたら飽きないね」と目覚めのカフェインを摂取していた。
「マスターのメディカルチェックも、魔力の観測もしなきゃならないんだ。あんなことがあったあとだからね。君も見てたろう? ナイチンゲール」
ロマニの前で表情を変えないサーヴァントーーーー鉄の女ことナイチンゲール。婦長と呼ばれ、カルデア5箇条にもその名がのぼり、絶対的な法力を持っている。すなわち「婦長に逆らうべからず」
ロマニは、常々このサーヴァントの扱いに頭を悩ませていた。そもそとサーヴァントだというのに、召喚の次の日には職員室でメディカルチェックを無断で行っていたのだ。仕事をとられたロマニの衝撃といったらひどいものである。しかもロマニよりも評判が良いのだ。
彼女が信頼を勝ち得るのに3日とかからなかった。いつの間にか「ドクターの右腕」だのなんだのと呼ばれ慕われている。
バーサーカーだというのに、どこか理性的で、しかしやはり人としては振り切れた部分を持つ彼女には、ロマニがどれだけ意地を張っても口論しても勝てないのだ。
「あんなことがあったからこそ、マスターは今、休んでいます。チェックは確かに必要ですがそれは今ではない。つまりあなたの出番は後に控えている。休息をとらないで、本番に確実で冷静なチェックが行えるとは思えません」
「たしかにねぇ。あんた最後に寝たの三日前だろう? 人間の限界超えてるよ」
(レオナルドーー!! なんで今言うんだい!?)
「ほう?」
「ひぃっ」
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Sandoriyon0000(さんどりおん)(プロフ) - 碧依さん» わわわわ感想ありがとうございます!!2度もいただいてもったいない……!は、発狂!そこまで萌えていただけて嬉しいです!いつも応援ありがとうございます、3部頑張ります! (2018年1月11日 0時) (レス) id: 1352ea05b0 (このIDを非表示/違反報告)
Sandoriyon0000(さんどりおん)(プロフ) - ありささん» はじめまして!感想ありがとうございます!1章から読んでいただけて嬉しいです!3章楽しみにしていただけている気持ちに答えられるよう頑張ります、応援ありがとうございます……! (2018年1月10日 16時) (レス) id: 1352ea05b0 (このIDを非表示/違反報告)
碧依(プロフ) - 第2部完結おめでとうございます!最後の方は超絶キュンキュンして悶えながら読んでました← もう心の中で発狂してました← 第3部も続くとのことで、とても嬉しいです! 心待ちにしています! これからも頑張って下さい! (2018年1月10日 14時) (レス) id: e83e0a514a (このIDを非表示/違反報告)
ありさ(プロフ) - はじめまして、一章から楽しく読ませていただいております!三章が凄く楽しみです!これからも頑張ってください!! (2018年1月10日 13時) (レス) id: 5124bcd214 (このIDを非表示/違反報告)
Sandoriyon0000(さんどりおん)(プロフ) - いよりさん» はじめまして!感想ありがとうございます!1章かは2章まで読んでいただけて嬉しいですありがとうございます……!3章もハラハラドキドキ、きゅんきゅん多めな展開を目指して頑張りますので、よろしくお願いします! (2018年1月9日 21時) (レス) id: 1352ea05b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Sandoriyon0000 | 作成日時:2017年12月13日 23時