flying car ページ4
ドビーはもうそこにはいなかった。
「逃げたのね、あいつ……」
ーーー
「もうあの学校には戻らせんぞろくでもない友達にも二度と会わせん！絶対にだ！」
バーノンおじさんは窓に格子を取り付けた。
ーー
その夜、ハリーは早くに寝たけど私はどうしても寝れなくて、星座を眺めていた時だ。
なにかの羽音のような……
その音はエンジンの音だったようで、空飛ぶ車がこちらに向かってやってきた。
「車が……！ちょ、ハリー！起きて、ハリー！」
「……？まだ夜中だよ、A」
ハリーを叩き起すと、眠そうな目にメガネをかけてやった。
「やぁハリー、A」
車に乗っていたのは、イタズラ好きなウィーズリー兄弟だ。
「ロン？フレッド？ジョージ？どうしてここに？」
ハリーは完全に目が覚めたよう。
「君たちを助けに来たんだよ。早くトランクを持って。」
私たちは頷いて、トランクに荷物を詰めた。
「下がってて！」
ロンは格子にロープを括り付けて、車で引っ張った。
その轟音で起きてきたバーノンおじさんらは慌てて部屋の鍵を開けようとしている。
「ポッター！！」
何とか先に私が乗り込んだ時、ハリーの足がバーノンおじさんに掴まれた。
「パパ何事!?」
ダドリーも起きてきたようだ。
「つかんだぞハリー！戻れ！」
「ハリー！」
私とロンでハリーの手を掴んで引っ張りあげた。
「フレッド出せ！」
ジョージの合図で車が発進した。
その拍子にバーノンおじさんは2階から落ちてしまった。
「えっ、大丈夫？！あれ流石に死んじゃうんじゃ……」
私が身を案じると、「おじさんはそこまでヤワじゃないと思うよ」とハリーは嫌味を言った。
「そうだ、ハリー誕生日おめでとう」
ロンがそう言った。
ーーー
兄弟は私たちを家へ招き入れてくれた。
「これ食べちゃってもいいかな？」
「ああ、バレないさ。」
そんなやり取りを聞いてクスッと笑ってしまう。
「一体どこに行ってたの！ハリー、A！また会えてうれしいわ。ベッドは空っぽ、書き置きもない、車は消えてる、死んでたかもしれないのよ！それに人に見られたかも！」
ロンのお母さん＿＿モリーさんはカンカンの様子で、兄弟を叱りつけた。
「ハリーたちを閉じ込めてたんだよ窓に鉄格子をはめて。」
ロンは弁明を試みた。
「お前の窓に鉄格子をはめるところですよロナルド・ウィーズリー。」
「さ、いらっしゃい。朝ごはんにしましょ」
私たちは促され、席に着いた。
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作者名：そぼく | 作成日時：2023年3月27日 2時
