Welcome back ページ29
ハーマイオニーは私たちに気づいて、勢いよく駆けてきた。
そのまま、ハリーに抱きつく。私にも力強いハグをしてくれた。ロンとは素っ気なく握手をする。
「あ、A。もう宴が始まるわ。」
ハーマイオニーに言われて、名残惜しいけれどスリザリンのテーブルヘと移動した。
「本当にポッター達と仲がいいのね……」
ソコロの隣に腰かけると、彼女はもうここまで来ると微笑ましいわ、なんて羨ましそうにこちらを見た。
「宴を始める前にまず拍手を送りたい。スプラウト先生とマダム・ポンフリーに。マンドレイク薬で石にされた者達を見事元に戻してくださった。」
ダンブルドア校長は立ち上がり、言った。石にはならなかったけど、私もお世話になった1人だ。
感謝を込めて拍手を送った。
すると、大広間の扉がゆっくり空いた。疑いをかけられていたらしいハグリッドが
「お前さん達のおかげだ。ハリーがいてくれたんで…。ロンも…Aも、もちろんハーマイオニーもだ。でなきゃ俺は…例のあそこから出られんかった。礼を言わせてくれ、ありがとう！」
ハグリッドは嬉しそうに、照れくさそうに言った。
「ホグワーツにはハグリッドが居なきゃ。」
ハリーはハグリッドに抱きついた。胸が熱くなる。
皆は大きな拍手を贈った。やがて数人、そして大広間の八割が立ち上がって、ハグリッドが戻ったことを祝福した。
ーーー
2年生もあっという間。
「もう夏休みとか信じられない…」
「僕もそう思うよ」
隣のハリーも頷く。ハリーはロンに続いて列車に乗り込んだ。
私もそれに続こうとすると、うっかり不注意で誰かとぶつかってしまった。
マルフォイだ。
彼は私だと気づいて、ため息をついて立ち上がらせてくれた。
「気をつけろ。別にここは転ぶとこじゃないだろ……トランクは無事か？」
「うん、ありがとう。ていうか、トランクの前に私の心配をしてくれない？」
彼の顔を見上げると、カチカチのオールバックから少しだけ髪の毛が垂れている。ぶつかったせいだろうか。
「いい加減髪型変えたら？」
彼の髪をそっと直しながら言ってみる。
「ふん、余計なお世話だ」
マルフォイはぷいっと顔を逸らして汽車に乗り込んでいった。
「A！そろそろ発車しちゃうわよ！」
ハーマイオニーの私を呼ぶ声が聞こえる。
「ごめん！今行くね！」
今年が終わる切なさと新学期の期待を胸に、列車は汽笛を鳴らして力強く発車した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 157人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：そぼく | 作成日時：2023年3月27日 2時
