Secret room ページ14
「君の猫は治せますぞアーガス。聞くところではスプラウト先生がマンドレイクの苗をお持ちだ。成長したら蘇生させる薬が作れるじゃろう。それまでは皆くれぐれも用心をすることじゃ。よいな？」
有無を言わさぬ圧を含んだダンブルドア先生の言葉に、私たちはこくこくと頷くことしか出来なかった。
ーーー
「はい、では今日は動物に変身の術をかけ、ゴブレットに変えます。こうです、ワン・ツー・スリー、フェラ・ベルト。」
マクゴナガル先生の変身術の今回の授業は、自分のペットをゴブレットに変身させるというものだった。
マクゴナガル先生が杖を振ると、杖の先の鳥は美しいゴブレットに姿を変えた。
それを見ていた机の上のヴァイツェンは、何をされるのかを察したのか、ぶるっと身震いした。
「ではやってもらいましょう、最初は誰から行きますか？じゃ、ミスター・ウィーズリー。ワン・ツー・スリーフェラ・ベルト。」
指名されたロンは緊張の面持ちで杖を握った。
ひとつ咳払いして、スキャバーズに杖先を向けた。
「フェラ・ベルト！」
すると、スキャバーズはしっぽが揺れて毛むくじゃらのゴブレットもどきに変化した。
どっと笑いが起こる。
「その杖は取り替える必要があるようですね。」
マクゴナガル先生はロンのテープでぐるぐる巻きの杖を見て言った。
すると、後方からスっと手が上がった。
「はい、Ms.グレンジャー。」
「先生、聞いても構いませんか？秘密の部屋のことです。」
ハーマイオニーは静かに尋ねた。
「ええ、いいでしょう。皆さんもご存じの通り、ホグワーツは１０００年以上前に、当時の最も偉大な４人の魔法使いと魔女達によって創設されました。」
「ゴドリック・グリフィンドール、ヘルガ・ハッフルパフ、ロウェナ・レイブンクロー、そしてサラザール・スリザリン。このの４人の創設者のうち３人は意見も合い協調していましたが、1人は違いました。
サラザール・スリザリンはホグワーツに入る生徒をより選別すべきだと考えたのです。魔法教育は純粋に魔法族の家系にのみ与えるべきだと。
つまり純血の者ですね。でも３人が反対したので彼は学校を去りました。伝説ではスリザリンはこの城のどこかに隠された部屋を作ったといわれています。それが秘密の部屋なのです。」
教室は少しざわついた。
学校側でももちろん何度も過去に調査はしたようで、見つからなかったそう。
その部屋に隠された恐怖とは、とハーマイオニーは質問を重ねた。
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作者名：そぼく | 作成日時：2023年3月27日 2時
