New seeker ページ11
「こっちはお金じゃなく才能で選ばれてるの」
ハーマイオニーも負けじと言い返した。
「誰がお前の意見を聞いた？“穢れた血”め」
穢れた血？とよく分からないけどきっと侮辱している言葉を投げたマルフォイ。
「良くも言ったな、ナメクジ食らえ！」
ロンは何故か折れている杖を振って呪文を唱えた。
するとロンは勝手に吹き飛び、グリフィンドールの選手や私たちが駆け寄った。ロンは吐き気を催したように顔を歪ませた。
「えっ、ちょっと、大丈夫？」
「何か言って、」
私とハーマイオニーが言うと、ロンは口からナメクジを吐き出した。
いつの間にか居た新入生のコリンがカメラのフラッシュをたいた。
「こっち向かせて」
無邪気に笑うコリンにハリーは「コリン、どいて」とロンの肩を持った。
「ハグリッドのところへ、何とかしてくれる」
「私、先に行って伝えておくね」
「助かるよ」
ハリーの返事を聞き終わるか終わらないかのうちに私の足は動き出していた。
走り出しと共に勢いよくつまづきかけたけど、何とか持ち直してハグリッドの小屋へと急いだ。
ーーー
ロンがナメクジを吐き続けていることを伝えていると、彼らも小屋へやってきた。
「専門の道具がねえとな」
ハグリッドはバケツを持ってきてくれた。
「止まるのを待つしかねえな。出しちまえ」
気の毒そうにそう言って、「誰を呪った？」と聞いた。
「マルフォイだよ、ハーマイオニーを……酷い呼び方をした」
ハリーが答えた。
「“穢れた血”と」
ハーマイオニーは立ち上がってこちらに背を向けた。
「どういう意味なの？」
私が聞くと、ロンがナメクジを吐きながら教えてくれた。
「マグル生まれの魔法使いは血が穢れているという侮辱なんだ。教養のある人は口にしない」
「魔法使いにゃおるんだ。マルフォイみたいなのが。自分達は“純血”で誰より偉い、とな。」
「最低だな」
ハグリッドの説明に、ハリーは言った。
「うっ……反吐が出る」
ナメクジを吐きながらロンも言った。
「くだらんよ、何が“穢れた血”だ。今どき“純血”のほうが少ねえのに。ハーマイオニーに使えねえ呪文があるか？」
ハーマイオニーは少しだけ表情を緩めた。
「自信をもて、ハーマイオニー。何も気にするこたあねえ。いいな？」
ハーマイオニーは目に涙をためて笑った。
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作者名：そぼく | 作成日時：2023年3月27日 2時
