【HP】蛇寮の眠り姫、ここにあり Ⅱ (ページ2)

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Dobby ページ2

「ごめん、僕気にさわること言うつもりはなかったんだ。」

ハリーが申し訳なさそうに言った。

「気にさわるなんて！ドビーめはこれまでたったの一度も魔法使いから「座って」などと言われたことがございません。対等のように…。」

感激したように言ったドビー。
一体この子はどこの家に仕えているのだろう。

「あ…優しい魔法使いにあんまり会わなかったんだね。」

ハリーの言葉に、「ええいちども。」とドビーは大仰に頷いた。

そしてドビーはハッとして、「悪いことを言ってしまった…。ドビーは悪い子ドビーは悪い子。」と頭をガンガンとタンスに打ち付けた。

「ちょっと！ドビー、シーッ！！」

これだと下の階に振動が伝わっちゃう。必死にドビーを2人でなだめようとするが、一向に辞める気配はない。

「ドビーは悪い子！フ〜…。」

「大丈夫かい？」

ハリーはドビーの身をあんじた。

「自分をお仕置きしたのでございます。ドビーの家族の悪口を言いかけたので。」

「君の家族？」

ハリーが不思議そうに首を傾げた。

「屋敷しもべは、一生ひとつの家に仕えるんだよね。たしか、主人から着るものをもらえば自由になるって聞いたな……」

記憶のままに説明すると、ドビーはよくご存知で！と嬉しそうにした。

「もしドビーめがここに来たことが知れたら…。でもドビーは参りました。」

「なにか急ぎの用事が？」

私の質問にドビーは「ええ、そうです。」と頷いた。

「ハリー・ポッターとA・シルヴァーをお守りするために。警告でございます。いいですかハリー・ポッターとA・シルヴァーは今年ホグワーツ魔法魔術学校に戻ってはいけません。ワナです！世にも恐ろしいワナが仕掛けられているのでございます。」

一息にドビーは言い放った。

「恐ろしい罠？」

「一体誰が？」

私たちが疑問をそのままぶつけると、ドビーは

「いえ申せま…せん…！ううっ！」

と電気スタンドを手に取って頭にうちつけた。

「いいよ分かったよ言えないのは分かったから。」

ハリーはドビーの奇行を焦ったようになだめた。

「フン！フン！ドビー？ドビーは悪い子！」

「ドビー！スタンドを置きなさい！」

私もドビーの手にあるスタンドを掴んで引っ張った。これ以上騒がれると本当にただ事ではない。

「イ〜ヒっ！う〜っ！お離しを！」

「A、足音だ！ドビーここに入ってて！」

勢いよくドビーをクローゼットにぶち込む。

さすがに気の毒だが仕方ない。