昔話 ページ36
立ち入り禁止と書かれた扉を容赦なく開ける
広く青い空が私を出迎えた
雄英高校の屋上
私はこの場所がお気に入りで、今回も気が付かないうちにここに向かっていた
、
、
真ん中に体育座りして、私は空を見る
そう言えば前にも、椅子の裏に書いてあった名前のおかげで兄と先生たちの関係を知った時もこんなことがあったな…と考える
ガチャっと後ろのドアが空き、それに驚く
後ろを振り返ると逆立った金髪が見えて、私はホッと息をついた
『追いかけて来たんですか…』
「ほっとけないんだリスナー。ショータと何かあったのか？」
『...いえ、私がガキだっただけです』
マイク先生は隣に座ると、私と同じように空を見た
晴れた夏空は、どこまでも広がるかのように綺麗だった
「相澤は...あいつはな、学生時代よく笑う普通の奴だった」
マイク先生が唐突に持ち出したのは、先生の昔話
マイク先生と、相澤先生と、お兄ちゃんが雄英高校にいた頃の話だった
「今は無愛想な釣れねぇやつだが、何も昔からそうだった訳じゃない。A組の三バカって呼ばれるくらいに一人一人が馬鹿野郎だったんだ」
『...仲良かったんですね』
「ああ、ムードメーカーの朧とうるさい俺と、それに対して1歩引く相澤。それぞれタイプが違っても3人でつるんでた」
どうやら、前に言っていた相澤先生の話は本当らしい
相澤先生は、マイク先生達から1歩下がったところで劣等感を感じていた
今からはそう想像できない過去だった
「…お前にはちょっと辛い話かもしれないけど、聞いてくれるか？」
『はい、大丈夫です』
「…朧が亡くなった時の話だ」
私は当時4歳
未だに誰にも聞けていない兄の死の話は、いつしか私にとって【知らなくてもいいこと】の認定だった
「…あいつが亡くなった時、インターン中にでっけー敵が街を襲ってたんだ。俺はちょっと違う場所にいたんだけど、そりゃあもう強い敵でな、街はボッコボコに壊されちまって...」
思い出すように、マイク先生は一つ一つ語り始めた
「避難できてない奴らを庇ったり敵に飛ばされたり、白雲もインターン先のヒーローもみんな瓦礫に飲まれて...あの場で動けるのはショータだけになったんだ」
まるで体験したかのように脳内に映像が流れる
大きな敵を前に、学生の先生が向き合う姿が見えた
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cherry*(プロフ) - 夏美さん» （ ´∀｀）つ□ 涙拭けよ… (2022年2月28日 2時) (
レス) id: 04cb4253df (このIDを非表示/違反報告)
夏美 - 泣きそう (2022年2月28日 1時) (レス) @page44 id: 42847795b4 (このIDを非表示/違反報告)
cherry*(プロフ) - あっぷるさん» ありがとうございます😭そう言って貰えて嬉しいです(*ˊᵕˋ*)੭ ੈ❤︎ (2022年2月22日 2時) (レス) id: 1bcf7600ec (このIDを非表示/違反報告)
あっぷる(プロフ) - 完結おめでとうございます！すごく面白かったし、めちゃめちゃ泣きました笑応援してます! (2022年2月22日 0時) (レス) @page43 id: 862121f9b4 (このIDを非表示/違反報告)
cherry*(プロフ) - たかなしさん» 読んでいただきありがとうございました！嬉しいです♡ (2022年2月15日 2時) (レス) id: 04cb4253df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：cherry* | 作成日時：2021年12月8日 23時
