出来損ないは英雄 (ページ5)

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組手ページ5

｢___今日は組手だ、自由にペアを作れ｣

…組手なんてできるわけが無い

皆さんご存知の通り私は出来損ない

戦闘技術がゼロだから組手が雑魚

だから楽をしたい人は私と組みたがる

この時だけ私はモテる

こんなモテ方望んでないけど

でも何やら後ろがが騒がしい

見てみれば

｢ちょ……!!どいてくれ、頼む…｣

｢グルッペンくん!!私と組もぉ～♡｣

｢そんなクソアマよりも俺と組もうぜ!!｣

｢誰がクソアマですって!?｣

｢……人気者｣

いつも通り彼の周りは騒がしい

モッテモテだね……

まぁ私も正反対にモッテモテなんですけど

｢おい出来損ない俺と組め｣

｢早くあたしと組んで!!出来損ない相手にしてあげるんだから喜びなさい｣

｢……はい｣

否定は出来ない

所詮出来損ないだから

女と組んだ方がまだマシ…と思い

返事をしそうになった時

｢おい待て｣

と、いつの間にか群衆を抜けたグルッペンが肩を掴んできた

咄嗟に掴んだっぽいのに痛くはない

優等生は違ぇな

｢…グルッペンくん!!あたしと組んでくれるの?｣

｢違う｣

即答か

クソアマ可愛そ

｢…あ、グルッペンくんも出来損ないとやって楽したいのね!!｣

クソアマとグルッペン一緒にすんな

ふざけた事を抜かした女にイラついていると

｢……出来損ないなんてどこに居るんだ｣

私を認識したくない的な?

いやグルッペンに限ってそんなこと

無いとは言いきれない思考を消したい

まだ信用しきれていないのか

｢そこにいるだろ?｣

アホ面した男が当然の様に答えると

｢ここには我々国の軍兵しかいない｣

グルッペンは、私をちゃんと軍の一員として認めてくれてるんだ

そう思うと

心がキュッっというなんともいえない

嬉しいような悲しいような感覚があった

そんな感覚に浸っていると

急に振り向かされ

｢A、一緒にやらないか?｣

グルッペンのめちゃイケメンな顔がドアップ

心臓に悪い

｢別に……いいけど｣

赤面を抑えようとしていたら

少し素っ気ない返事になってしまった