君は私のmögen 5 ページ6
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正直まだ続くのか……とは思いつつも、うんうんと相槌を打ちながら彼が去るのを待つ。
カフェの場所は教えたんだ、もう私らに用はないだろう。
「……Die Blumen, die ich dort sah」
「……？」
そこでふと、相手が聞き取れない単語で喋っていることに気づく。
さっきまでは確かに理解できる英語だったのだ。もしかして方言か、はたまた別の言語なのか。
助けを求めてトムくんの方へ振り向こうとした時。
大人しく後ろに控えていたはずの彼は、私をその高い背に隠すように前へ出た。
「
「Ich wusste nicht. Entschuldigung, verzeih mir」
「……？」
ちょっとだけ怒ったようなトムくんと、突然逃げるように去っていった男性。
彼が走っていった方を見ていたトムくんは、その姿が完全に見えなくなるまで私の腕を両手できゅっと握っていた。……やっぱり猫みたいだ。
私には二人が何を話していたのか全く分からなかったけど、何はともあれ解放されたのでよしとしよう。
トムくんに感謝だ。
「よくわかんなかったけど……ありがとう」
「
「あーまた！ それ何語？ ドイツ語？」
「ふふ、そうです」
「……ドイツ語でありがとうってなんだっけ。メルシー？」
「それはフランス語ですね。ドイツ語は��Danke�瓠�
「聞いたことないや」
そういえばさっき、トムくんが喋っていた中で、聞き覚えのある単語があったような。なんだっけ。
……まぁ、いいか。
帰ったら二人に自慢してやろう。カフェが当たりだったことと、トムくんが凄かったこと。
一緒に出てこなくて残念だったね、って言ってやるんだ。
行こう、と彼の華奢な腕を引けば、やっぱり嬉しそうに笑うのだ。
「ねぇ、Aさん」
「なんだねトムくん」
「
「だーから、ドイツ語わかんないって！」
背中を西日に照らされる。
国が違えど、意外と太陽の温かさは似たようなものなんだなと、原理もよく分からないまま適当なことを思った。
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じばくスイッチ(プロフ) - 葉華さん» お読み頂き、コメントまでありがとうございます。tmさんがトリリンガルと知って衝動書きしたものなのであまりキャラクターを捉えきれていないと思いますが、そんな風に言ってくださる方のお陰で書いてよかったと思う事が出来ます。こちらこそ、ありがとうございます。 (1月21日 20時) (
レス) id: 3711322760 (このIDを非表示/違反報告)
葉華(プロフ) - あとがきを読んで、とても考えて作られているんだと驚きました。tmさんの夢小説が無いに等しい中、この作品を見つけられて幸せです。面白い作品をありがとうございます。 (1月18日 20時) (レス) @page12 id: 799c11267c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：じばくスイッチ | 作成日時：2022年4月19日 0時
