【銀魂】桜なんて可愛いモンじゃねェ

第八十一訓 ページ32

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「いやぁ、あれでいて桜田も常軌を逸してやべぇだろ」


多くの仲間と戦う日々の中でも
やはり同じところ出身の奴の方が声が耳に馴染んでいるもの。


焚き木を囲む男たちの話声
その中で橋本の声が聞こえ、言葉の中に自身の名が聞こえた。

近付いて橋本らの方に「なにしてんの？」と問えば
橋本は「よォ、噂のおひいさん」と片手を挙げて言葉を返す。

「おひいさん」とは私の認識の通りの「お姫さん」の音変化でいいのか？
なるほど、意味が分からん。
今までコイツにそんな呼ばれ方をした覚えがない。


「何言ってんのコイツ？」


橋本と話していたであろう男たちに橋本を指差しながら問えば
今しがたまで「攘夷志士の最強は誰か」談義で盛り上がっていたのだという。

よくよく面々を見れば鬼兵隊のやつだったり、様々な所属が集まっていた。
なるほどね、それぞれの推しを語らってた、と。


「んで、なんで私が“おひいさん”になるわけ？」

「桜田さん、ご自分がなんて言われてるか知らないんですか！？」

「はぁ？」


橋本ではなく、別の男が食い気味に話し始めた。


「アンタ“こくおうき”って敵味方両方の間で有名人なんだぞ。」

「そりゃ聞いたよ？でもアレ黒髪でもないのに
“黒”い“桜”の“鬼”でしょうよ、未だにネーミングセンス意味が分からないけど」

「桜田、お前そっちは知ってんだな。」


私が答えれば今度は橋本がケラケラと笑っている。

聞けば、これの由来ってのは桜は見た目から来ていて
鬼はその残虐ともいえる敵の制圧の仕方、まぁ容赦なく裂くから否めない。
そんで黒っていうのは同じく単騎の奇襲要員の銀時と並べるように
アイツの「白夜叉」と対比する色として挙げられたってのが有力説らしい。


「で、橋本さんが“おひいさん”つったのは
アンタの「こくおうき」ってのは２つあって「黒桜」までは同じで
最後の“き”ていうのが、唯一の紅一点てのもあって俺らは「姫」っていう認識なんすよ」

「あっははは。お前が姫なんだってさ、コイツらにとっては。ウケｒ」


ブハッと吹き出しながら爆笑し始めた橋本の頭に手刀を入れて黙らせる。
確か鬼兵隊にいた男が「この人もある意味強いなぁ」と橋本を哀れんだ。

強いんじゃないよ、ただのバカだよ。


「で？推しの押し付け合いはセンターは誰か結論出たの？」

「いやぁ、実はまだなんすよ。
桜田さんは四天王と呼ばれるあの人達と同格なわけですけど。
ご自身も含めて、誰が最強だと思います？」

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