【銀魂】桜なんて可愛いモンじゃねェ

第六十五訓 ページ16

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流れる涙がこびりつき、乾いた血を拭うには丁度良くて
晋助が頬を擦っていくうちに鏡も見てないし多分、だけど顔の血は取れてきた。


高「だから全部がお前のせいになんのは可笑しいだろうが
強いて言うなら俺ら全員のせいだろうが、勝手なことばっか言ってんじゃねェよ。」


言うことは優しいけど、顔はマジで怖い。
もちろん、それは私に対する怒りとか幻滅とかじゃない。その矛先は私じゃない。

でも、そんな顔をさせる展開を阻止できなかったことは
私の中に大きく突き刺さっていて…悔しくて、辛くて、悲しくて。



「んな事言ったら俺の方がなんも出来なかったろーが。」


「…銀時。」


特に、アンタのそんな顔見たくなかった。
一番、誰よりも長く隣に居たから銀時のそんな顔死ぬまで見ないつもりだった。

なのに、いつもならチャランポランで飄々としていて
ムカつく自由人でやる気もない、それくらいで、それくらい“が”良かったのに


銀「だからよ、自分を責めてる暇があんなら血も涙も拭けよ。」


ヘッタクソな、中途半端な笑みと一緒に
「いい加減止血しねぇと失血すんぞ」とケラケラ笑われた。


「そうだな…あいにく、今回は止血に使えそうな手ぬぐいは…持ち合わせちゃいないが。」


後頭部を押さえ痛そうに顔を顰めながら起き上がった小太郎。
これで３人。気絶していた全員が起き上がる。

起きていきなり小太郎に傷を見せろと言われた為
痛覚が残る場所を一通り見せたら盛大にため息をつかれた。


桂「これだけの無茶をして、それでもどうにかしようとして更には自分を責めるか
まったく…お前も大概馬鹿じゃないか。
誰がお前を責められる、だれがお前を恨む、そんな奴ここにはいない…わかったな？」


「ぃ！？った…」



３人の優しさを全部は受け止めきれなくて５割納得するのがやっとだったってのに
「わかったな？」と共になかなかに鋭い手刀を頭に頂戴する


銀「それ以前に年下(おまえ)が 年上(オレら)もひっくるめて担おうなんてクソ生意気にも程があんだろーが」




そう言いながら銀時は近付いて、私と視線を合わせるように目の前にしゃがんだ

そしてそのまま、ギュッて力強く抱きしめて背中を撫でてくれた。


暖かくてまた泣きそうになるけど、そんなにずっと泣いていたら
また馬鹿2人にブサイクだなんだと言われるのは目に見えていたから泣いてやらない。

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