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#18 ページ18

寂雷side


一郎君が倒れたAちゃんを連れてきた時は驚いた。


彼の話によれば、

Aちゃんが絡まれてるのを助け、

その後意識がなくなったらしい。


診察して、大事はなかったことを確認すると、

調べることがあると、


病院を後にしていった。


まず無事でよかったと言いたいところだが、

Aちゃんにつく傷はきっと今日出来たもの以外もある。



服に隠れて見えなかったがいくつか、


怪我のあとや、内出血が見られる。

彼女は自分のことを話したがらないから、


今まで聞くことは無かったけど、


彼女も、なにかを抱えて生きているのだろう。


それを自分の中で誰にも迷惑をかけないように

と隠している。



私は彼女の涙を何度か目の当たりにしているが、


解決までにはいたらない。



ひとに愛される彼女だが、



誰にでも一線を引いているように感じることがある。


なにかこの様になってしまった、


きっかけ


があるのかもしれない。


それが解決しなければ、


彼女が幸せに笑顔で暮らすことの出来る


日は遠くなるだろう。


すると、診察室のドアが勢いよく開く。



「...ハァハァ。せん...先生。ハァハァ...Aは無事なんでしょうか。」




息を切らしドアにもたれ掛かりながらも、


必死に言葉を紡ぐ 独歩君。



さっき連絡したばかりだ、

きっと仕事を急いで片付けて駆けつけて来たんだろう。


美しい兄妹愛というものか。


「独歩君。Aちゃんならいま、
病室で寝ているよ。一応大きな怪我などはなかったから命に別状はない。」



「...っそ、そうですか。良かった。」



独歩君を連れ、Aちゃんのいる病室へ向かう。



ドアを開けると、スヤスヤと寝ているAちゃん。



それを見て安心したのか、床にペタンと座り込む独歩。


「ごめんね。A。また俺のせいで辛い思いをしていたんだね。俺がもっと一緒に居てやれれば、そばで守ってあげれていたらこんな事は起きなかったのに。俺がこんなクズでダメなにんげんで俺の妹だから...」


「独歩君。独歩君だけのせいじゃないさ。そう自分を追い詰めるのはやめなさい。Aちゃんもそう追い詰めて欲しくないと思ってるさ。」


そう言って彼の肩を軽く叩く。

はい。力のない声で返事をし、目から流れる熱いものを手で受け止めている。


「独歩君。私は君に聞きたいことがあるんだ」


すると彼は私の目をまっすぐ見て


「僕も先生にお話したいことがあります。」

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pon(プロフ) - 最初の方の#2ページの気をつけますのとこが気おつけますになってるのがちょっと気になります… (2023年1月31日 18時) (レス) @page2 id: 62692fc6b2 (このIDを非表示/違反報告)
観原G佳(プロフ) - とても面白かったです!続きがどうなるのか見てみたいので、続編書いて欲しいです!m(_ _)m これからも頑張ってください! (2019年10月18日 19時) (レス) id: 9e096c4fd1 (このIDを非表示/違反報告)
はるはる。(プロフ) - いまづきさん» コメントありがとうございます(><)私もどうなるかドキドキしながら書いてます!!これからもよんでいただいたらうれしいです!!よろしくお願いします(*´ч ` *) (2018年12月8日 0時) (レス) id: 27f33b0843 (このIDを非表示/違反報告)
はるはる。(プロフ) - 聖亜@麻天狼 division 推さん» 大変お待たせしてしまい申し訳ございません(;_;)これからはこまめに頑張りますね!!これからも応援の程よろしくお願いします! (2018年12月8日 0時) (レス) id: 27f33b0843 (このIDを非表示/違反報告)
はるはる。(プロフ) - 朧流水斬さん» コメントありがとうございます!!これからもゆっくりになってしまうと思いますがたのしくかいていきたいとおもいます(><) (2018年12月8日 0時) (レス) id: 27f33b0843 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はるはる。 | 作成日時:2018年6月21日 0時

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