294歩目 ページ6
「残ってる奴は、もうあんただけなんだからさ…」
私の言葉に、ネズミは情けない程震えていた。
「なんなんだ…お前は…？何者なんだ…？」
「私かい？」
ニタリ、と私は口角を上げる。
「化け物さ。この世で最もおぞましい、残酷な化け物だよ」
そう言って、私はネズミを甲板に放った。逃げ場がないと悟ってか、ネズミはその場に座り込んだまま動かない。
「それで？どうするのさ？」
「き、聞きます！！あの女泥棒の宝は返すし、島民に謝る！！！！だから、助けてくれェ！！！」
情けない悲鳴に、私はふっと息をついた。
「いいよ」
狗たちの頭が形を崩して消えていく。それと入れ替わるように、気を失った海兵たちが次々と甲板に放り込まれた。
「１人残らず叩き起こしな。そして、船の進路を戻せ」
ネズミが何度も頷いた。走り回り、海兵たちを叩き起こすネズミの声が聞こえる。うめき声を上げて起き上がった海兵たちが、生きていることに感謝する声を上げたのち、私の姿を見て悲鳴を上げた。
船は追い風を受け、どんどん島へと近づいていく。その時、アーロン・パークの方向を見ていた海兵が声を上げた。
「アーロンパークが…破壊されています！！」
「何ィ！！？」
さわがしくなる甲板の中、私はふっと笑った。どうやら、向こうも全部終わらせたらしい。
「さあ、それじゃあアーロン・パークに船をつけな」
「！」
「どうせあんたらのことだ。お仲間の魚人さん達が助けてくれると踏んでたんだろう？」
海兵たちがごくりと生唾を呑み込んだ。どうやら図星だったらしい。
「それじゃあ、見てみようか。そのお仲間がどうなったかを…」
グン、と船が揺れる。
「舵も取らないのに…船が…！！」
グン、と船が曲がり、アーロン・パークの傍の桟橋に吸い寄せられるように進んでいく。
(さあ、これで終わり)
人のざわめきが聞こえてきた。どうやら島の人達らしい。その姿が見えた時、彼らもこちらに気が付いたようだった。
「あ、あの船は！？」
「今度はなんだ！？」
桟橋に船をつけ、錨が下ろされる。
「ただいま」
船の上から、島の人達を見下ろすと、彼らを割って見慣れたオレンジ髪が飛び出してきた。
「A！！無事だったのね…！？」
「うん。それに、あんたの宝物、返すってさ」
その時、銃声が響いた。
「あ…？」
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りと(プロフ) - 甘党さん» あ、ありがとうございます〜！トンカチって書いてましたか…！すぐ修正しときます〜！！ (2018年11月26日 18時) (
レス) id: 193ad08974 (このIDを非表示/違反報告)
甘党 - りとさん！読ませていただいてますが、一つ質問？です！322歩目の話でルフィの事をトンカチと言っていますが、正しくはカナヅチではないでしょうか？すごい細かくて申し訳ないんですけど、気づいてしまったのでとりあえずご報告を…(*'ω'*) (2018年11月26日 18時) (レス) id: de091372b0 (このIDを非表示/違反報告)
ミカン(=･ω･=)(プロフ) - りとさん» そうでしたか！お返事ありがとうございますｍ(＿ ＿)ｍ (2016年8月18日 18時) (レス) id: 86f8ae39c8 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - ミカン(=･ω･=)さん» ミカンさん、コメントありがとうございます。理由としては２つあって、１つは作者が面倒に思ったから。もう１つはない方が文字数が稼げるからです。別段意味はないですよ(*^o^*) (2016年8月18日 18時) (レス) id: 78fb09e763 (このIDを非表示/違反報告)
ミカン(=･ω･=)(プロフ) - 質問いいですか？なぜ途中からセリフのとこに名前を付けなくなったんですか？変なこと聞いてごめんなさい！これからも頑張ってください^^ (2016年8月18日 18時) (レス) id: 86f8ae39c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りと | 作成日時：2016年4月26日 14時
