337歩目 ページ50
「…そろそろよかろう」
ルフィの一言でゴロツキを船に乗せることになった。それから少し経ち、今ようやく出航の時を迎えている。
「“
「うん、大丈夫！！ウイスキーピークを指してる！」
そう言って船へと向かったナミを見送ったクロッカスさんの目が、静かに私に向けられた。みんなは既に崖にかけられた梯子を降りて、船に向かっている。
「なんだい？」
「いや。懐かしい人を思い出した」
「それはローグタウンでも言われたよ。全く…私はそんなに懐かしの誰かを思い出す顔なのかね」
「はは…歳かもしれんな。つい昔のことばかり思い出す…年寄りの悪い癖だ、許せ」
私はクロッカスさんを見つめた。眼鏡越しの険しいようで優しい瞳は、私を見つめ返している。
「なあ、あんたの言う懐かしい人は…昔、この海を旅した女かい？」
クロッカスさんの目が見開かれる。
「多分、その人の持ち物を…ローグタウンで買った」
「…そうか」
「革表紙の本…というより、手記だった。多分、“日記”に近いものだと思うんだけど……あんたにやろうか？」
クロッカスさんの声音から、なんとなくその人は彼にとって思い出深い人なのだろうと思った。
「私じゃ読めるかわからないし…あんたが持つ方が意味があるのかも─」
「構わん」
クロッカスさんはそう言うと、ポンと私の肩を叩く。
「それは、“お前”のための本だ」
優しく、キッパリとクロッカスさんが言う。その声に、私はそれ以上は何も言わなかった。深く頭を下げ、私は船へと飛び乗った。
少し遅れてクロッカスさんが船のそばまで来た。
「いいのか、小僧。こんな奴らのためにウイスキーピークを選んで」
クロッカスさんが確かめるようにそう問いかける。
「航路を選べるのは始めのこの場所だけなんだぞ」
その言葉にルフィはなんの憂いもない顔で笑った。
「気に入らねェ時はもう一周するからいいよ」
「…そうか」
クロッカスさんは面白そうに笑って、ルフィを眩しそうに見上げた。
「じゃあな、花のおっさん」
「“
「お元気で」
クロッカスさんが深く頷く。
「行ってこい」
ルフィはニッと笑うと、大きく息を吸い込んだ。
「行ってくるぞ、クジラァ！！！！」
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りと(プロフ) - 甘党さん» あ、ありがとうございます〜！トンカチって書いてましたか…！すぐ修正しときます〜！！ (2018年11月26日 18時) (
レス) id: 193ad08974 (このIDを非表示/違反報告)
甘党 - りとさん！読ませていただいてますが、一つ質問？です！322歩目の話でルフィの事をトンカチと言っていますが、正しくはカナヅチではないでしょうか？すごい細かくて申し訳ないんですけど、気づいてしまったのでとりあえずご報告を…(*'ω'*) (2018年11月26日 18時) (レス) id: de091372b0 (このIDを非表示/違反報告)
ミカン(=･ω･=)(プロフ) - りとさん» そうでしたか！お返事ありがとうございますｍ(＿ ＿)ｍ (2016年8月18日 18時) (レス) id: 86f8ae39c8 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - ミカン(=･ω･=)さん» ミカンさん、コメントありがとうございます。理由としては２つあって、１つは作者が面倒に思ったから。もう１つはない方が文字数が稼げるからです。別段意味はないですよ(*^o^*) (2016年8月18日 18時) (レス) id: 78fb09e763 (このIDを非表示/違反報告)
ミカン(=･ω･=)(プロフ) - 質問いいですか？なぜ途中からセリフのとこに名前を付けなくなったんですか？変なこと聞いてごめんなさい！これからも頑張ってください^^ (2016年8月18日 18時) (レス) id: 86f8ae39c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りと | 作成日時：2016年4月26日 14時
