324歩目 ページ37
(これは…！)
胃の底には多くの船が沈んでいた。そして、その隙間に白いものが見える。人骨だ。
(ここでもたもたしてると、こうなるってことね…)
なおさら、時間がない。もう一度、薄黄色の胃液の中で"赤"を探した。胃酸が肌を焼くせいか、あちこちがピリピリとする。目も痛む。
(どこに沈んだ…！？)
必死でルフィが落ちたあたりに近づいた時、少し先に沈んでいく赤が見えた。
(ルフィ！！)
胃酸を必死で掻き、その赤を掴んだ。ルフィだ。すでに意識はない。
(あともう少しだから…！)
ぐっとルフィを抱き寄せ、私は水面へと泳いだ。水面に上がった瞬間、大きく息を吸い込んだ。抱えていたルフィも息を吸っている。まだ、生きている。
「ルフィ、見つけたよ！！」
「お、おう！」
ウソップが投げたロープを掴む。ルフィを肩に担ぎ直し、私は甲板に上がった。
「みんな無事かい？」
「まあな」
さっきの２人も生きている。ルフィを甲板において、私はふっと息をついた。
「…！クジラが大人しくなった…」
言われてみれば、とあたりを見回す。ルフィを甲板に上げることで必死になっていて気が付かなかったが、さっきの荒れた胃酸の海が嘘ののように静かだ。
「で？」
サンジとゾロが引き上げてきた２人を見る。
「お前らは何なんだよ…！！」
派手な格好をしているが、何者かには検討がつかない。
「私の目が黒いうちは、ラブーンには指１本触れさせんぞ！！！」
突然響いた声に顔を上げた。クロッカスさんだ。
「誰だあのおっさん」
「戻ってきた…」
胃酸の海に浸かっていたはずだが、クロッカスさんは島の上に戻っていた。だが、その顔はさっきよりも険しい。
「フフフ…」
「ホウ…」
突然２人組が、そばに転がっていた小さな大砲らしきものを掴む。
「だが我々はもうクジラの腹の中」
「…！」
「「この胃袋に風穴を開けることだってできるぞ！！！」」
そう言って２人が引き金を引いた。火薬の臭いと爆音にひゅっと喉が詰まる。
「もう我々の"捕鯨"の邪魔はさせん！！！｣
その時、クロッカスさんが走り出すと、弾道に向かって飛んだ。その体に弾が当たり、爆発する。
「クロッカスさん…！！」
クロッカスさんは気絶したのか、そのまま胃酸の中へと落ちて行った。その姿にナミとウソップが大きく目を見開く。
「あのおっさん、自分から弾を…！！！」
「まさか…このクジラを守ったの…！？」
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りと(プロフ) - 甘党さん» あ、ありがとうございます〜！トンカチって書いてましたか…！すぐ修正しときます〜！！ (2018年11月26日 18時) (
レス) id: 193ad08974 (このIDを非表示/違反報告)
甘党 - りとさん！読ませていただいてますが、一つ質問？です！322歩目の話でルフィの事をトンカチと言っていますが、正しくはカナヅチではないでしょうか？すごい細かくて申し訳ないんですけど、気づいてしまったのでとりあえずご報告を…(*'ω'*) (2018年11月26日 18時) (レス) id: de091372b0 (このIDを非表示/違反報告)
ミカン(=･ω･=)(プロフ) - りとさん» そうでしたか！お返事ありがとうございますｍ(＿ ＿)ｍ (2016年8月18日 18時) (レス) id: 86f8ae39c8 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - ミカン(=･ω･=)さん» ミカンさん、コメントありがとうございます。理由としては２つあって、１つは作者が面倒に思ったから。もう１つはない方が文字数が稼げるからです。別段意味はないですよ(*^o^*) (2016年8月18日 18時) (レス) id: 78fb09e763 (このIDを非表示/違反報告)
ミカン(=･ω･=)(プロフ) - 質問いいですか？なぜ途中からセリフのとこに名前を付けなくなったんですか？変なこと聞いてごめんなさい！これからも頑張ってください^^ (2016年8月18日 18時) (レス) id: 86f8ae39c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りと | 作成日時：2016年4月26日 14時
