292歩目 ページ4
「何だと…！？」
男が顔を赤くして、声を荒げた。
「口を慎めよ！！あの女との共犯の疑いで牢にぶち込んでやってもいんだぞ！？」
その男が、不意に私の周りを見回してニヤリと笑った。
「まさか、ここにたった１人で来たのかね？」
何も答えない私に、男が弾けるような笑い声をあげた。
「正気かい、お嬢ちゃん！？たった１人じゃ誰も助けてくれやしないぜ！！挙句に、"正義"を語りだすあたり、青い小娘だ！！」
その言葉に私は思いっきり噴き出した。
「ッハハハハハハハハハハハハハハ！！！」
笑いすぎて涙が出てくる。大きく息を吸って、私はだらりと手を降ろした。
「助けなんていらないよ、あんたらごとき相手に」
私は笑うのを止めた。シンと静まりかえる甲板の上で、私はひとつ息をつく。
「くだらないこと言ってないで、さっさと返しな」
「な…まだ"そんなこと"を言ってるのか、お前は！？」
「…"そんなこと"？」
目の前にいた男の首を私の手が掴んだ。驚く男を片手で持ち上げる。
「うちの"
首を掴んだ指先に、力が入った。男が奇声を上げる。
「言葉には気をつけな。今、この瞬間が、あんたの命の最期の瞬間にならないように」
その瞬間、海兵たちが真っ青な顔で慌てて銃を構えた。それを横目に、私は男を放り投げる。ぎゃあ、と悲鳴をあげ、海兵たちが受け止め損ねて転がった。
「…随分と出来の悪い海兵だねェ。敵襲が来てもこんなにぼぉっとしてちゃ、殺されちまうよ？」
まあ、と私は海兵たちを睨んだ。
「要求を吞まないってなら、そうしちまうけど…」
海兵たちが私から一歩距離をとる。そんな事しても意味は無いが。
「要求は２つ。１つ目は、あんた達が"奪った"ナミの宝を島に返すこと。２つ目は、その時に島民たちに土下座して詫びること……簡単なことさ」
私の言葉を聞き終えた海兵たちが一気にさわがしくなった。
「詫びろ！？そんなことできるか！！おれ達は海兵だぜ！！？」
「海軍のメンツがあるんだぞ！！」
怒鳴る海兵達に、私は吼えた。
「そんなものがどこにある！！あんた達にあるのは、腐り切った醜い欲望だけだろうが！！」
私の一喝に甲板がまた静まり返った。
「さあ、話を戻そうじゃないか」
沈黙の中、私の声が響く。
「私の要求を吞む？それとも…」
「ここで海の藻屑になる？」
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りと(プロフ) - 甘党さん» あ、ありがとうございます〜！トンカチって書いてましたか…！すぐ修正しときます〜！！ (2018年11月26日 18時) (
レス) id: 193ad08974 (このIDを非表示/違反報告)
甘党 - りとさん！読ませていただいてますが、一つ質問？です！322歩目の話でルフィの事をトンカチと言っていますが、正しくはカナヅチではないでしょうか？すごい細かくて申し訳ないんですけど、気づいてしまったのでとりあえずご報告を…(*'ω'*) (2018年11月26日 18時) (レス) id: de091372b0 (このIDを非表示/違反報告)
ミカン(=･ω･=)(プロフ) - りとさん» そうでしたか！お返事ありがとうございますｍ(＿ ＿)ｍ (2016年8月18日 18時) (レス) id: 86f8ae39c8 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - ミカン(=･ω･=)さん» ミカンさん、コメントありがとうございます。理由としては２つあって、１つは作者が面倒に思ったから。もう１つはない方が文字数が稼げるからです。別段意味はないですよ(*^o^*) (2016年8月18日 18時) (レス) id: 78fb09e763 (このIDを非表示/違反報告)
ミカン(=･ω･=)(プロフ) - 質問いいですか？なぜ途中からセリフのとこに名前を付けなくなったんですか？変なこと聞いてごめんなさい！これからも頑張ってください^^ (2016年8月18日 18時) (レス) id: 86f8ae39c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りと | 作成日時：2016年4月26日 14時
