312歩目 ページ25
「お前に用はねェと言っているだろうが…!」
男の目が私を睨んだ。
「─ッ!!」
一瞬で私の体が煙に包まれる。悲鳴を上げる間もなく、私の体を煙が締め上げた。
「は、なせッ…!!!!」
私の周りで風が渦を巻く。その風に巻かれて、煙が消えた。
「チッ…!!」
男が舌打ちしたと同時に、男の体から煙が噴き出す。
「あッ…!!」
視界が真っ白になり、男を見失った。煙にまかれる中、私は男を探そうと手を伸ばす。
「お前が3000万ベリーだと?」
煙が晴れたと同時に、男がルフィの頭を掴んでいるのが見えた。
「…!ルフィ!!」
男がルフィを地面に叩きつける。
「フン、悪運尽きたな…」
背におった十手に、男が手をかけた。
「そうでもなさそうだが…!?」
誰かが男の後ろにいた。黒いマントが激しい風に吹かれて揺れている。深く被ったローブの下から、顔に刻まれた刺青が見えた。
その男を真正面から見据えた海軍の男が、大きく目を見開いた。
「てめェは…!!!」
激しい風の音で、男の声がかき消える。
(今の…私が起こした風じゃない…!!)
誰かが操っているような風の動きに、私は大きく目を見開いた。吹き飛びそうになるのを、石畳を掴んで堪える。
「何だ!!?誰だ!?誰だ!?」
ルフィが驚いたように男を見る。
「政府はテメェの首を欲しがってるぜ」
「世界は我々の答えを待っている…!!!」
男の迫力に言葉を出せない。
「突風だァ!!!!」
不意に誰かの叫び声がした。はっと顔を上げた瞬間、私の体が風に吹き上げられる。
「っ!?」
吹き飛ばされた体は、ルフィ達と共に港に向かって吹き飛ばされた。
「ルフィ、A!!!」
ゾロの声に顔を上げると、ゾロがこちらに走ってきているのが見えた。
「走れ!!島に閉じ込められるぞ!!!バカでけェ嵐だ!!!グズグズすんな!!!」
「わ!何だ!?なんなんだよ、一体!」
ルフィをひっつかみ、ゾロが港へ駆け出す。その背中を追うように、私とサンジも走り出した。
「ナミさんが言っていたのはこういうことか〜っ!!」
サンジが軽やかに口笛を開く。
「フフ…行ってこい!!それがお前のやり方ならな!!!」
マントの男の声が響いた。その声に押されるように、私達は港へ向かった。
「なぜ、あの男に手を貸す!!ドラゴン!!!」
その時、一際激しく雷が鳴った。
「男の船出を邪魔する理由がどこにある!」
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りと(プロフ) - 甘党さん» あ、ありがとうございます〜!トンカチって書いてましたか…!すぐ修正しときます〜!! (2018年11月26日 18時) (レス) id: 193ad08974 (このIDを非表示/違反報告)
甘党 - りとさん!読ませていただいてますが、一つ質問?です!322歩目の話でルフィの事をトンカチと言っていますが、正しくはカナヅチではないでしょうか?すごい細かくて申し訳ないんですけど、気づいてしまったのでとりあえずご報告を…(*'ω'*) (2018年11月26日 18時) (レス) id: de091372b0 (このIDを非表示/違反報告)
ミカン(=・ω・=)(プロフ) - りとさん» そうでしたか!お返事ありがとうございますm(_ _)m (2016年8月18日 18時) (レス) id: 86f8ae39c8 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - ミカン(=・ω・=)さん» ミカンさん、コメントありがとうございます。理由としては2つあって、1つは作者が面倒に思ったから。もう1つはない方が文字数が稼げるからです。別段意味はないですよ(*^o^*) (2016年8月18日 18時) (レス) id: 78fb09e763 (このIDを非表示/違反報告)
ミカン(=・ω・=)(プロフ) - 質問いいですか?なぜ途中からセリフのとこに名前を付けなくなったんですか?変なこと聞いてごめんなさい!これからも頑張ってください^^ (2016年8月18日 18時) (レス) id: 86f8ae39c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りと | 作成日時:2016年4月26日 14時