308歩目 ページ21
「！」
処刑、という言葉にサッと血の気が引いた。
「ぎゃはははは、光栄だろう！海賊王と同じ死に場所だ！！！」
こんな奴らにルフィを殺されるわけにはいかないし、私だって死ぬ気はない。枷から逃れようともがいた私の背を、カバジが強く踏みつけた。
「おいおい、そう暴れるな…」
ゲホゲホとむせる私の顔を覗き込み、カバジはニヤリと笑った。
「能力は使わないのか、ん？」
「…何の話だい？」
「なるほど、使わないって訳では無いらしい」
悔しいが、カバジの言葉は正しい。能力を使いたくても、使えないのだ。
まだ正式な発表は無いものの、ナミの一件で海軍本部は恐らく私に気がついた。この辺りの海軍に情報がいっている可能性もある。そうなれば、迂闊な行動はできない。
ナミの一件の時のように冷静さを欠いた行動は、これからは避けるべきだろう。
「…。」
隣のルフィは変な顔をしている。鼻でもかゆいのだろうか。
こんな時だというのに呑気そうなルフィの姿に、私はなんだか呆れたようなホッとするような気がしていた。
「…！」
どうにかできないか、と辺りを見回していると見慣れた姿が目に止まった。私とルフィを除くみんなが、偶然にもこの広場に入ってきたらしい。これならまだ希望はある。
(雨の…匂い…？)
空気の流れと匂いが変わった。見上げると黒雲が空を覆い始めている。このままだと、激しい雷雨になるだろう。
─遥か未来に語り継がれる伝説は、遥か昔に幕を開けた物語
どうしてか、昔街からくすねてきた本の言葉を思い出した。その話も、雷雨の日の処刑台に主人公がいるところから始まった。
「罪人！！！海賊モンキー・D・ルフィ、及び、その仲間のAは"つけあがっちまっておれ様を怒らせちまった罪"により！！」
バギーの怒鳴り声が耳にキンキンと響く。
「ハデ処刑──っ！！！」
その言葉にバギーの一味が祝砲のように銃を撃った。
「ハデに騒げ！！！」
「ひゃーっほォ！！！」
「動くんじゃねェぞ、てめェら！！！」
どっちだかわからない指示を出すバギーに、ルフィがニッと笑う。
「おれ処刑って初めて見るよ」
「てめェが死ぬ本人だよ！！！！｣」
バギーが凄い顔で怒鳴った。得意の顔芸は今も健在らしい。
「ええっ！！？ふざけんなーっ！！！」
「てめェがふざけんなァ！！！」
バギーが持っていた剣を振り上げる。
「これよりハデ処刑を、公開執行する！！！！」
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りと(プロフ) - 甘党さん» あ、ありがとうございます〜！トンカチって書いてましたか…！すぐ修正しときます〜！！ (2018年11月26日 18時) (
レス) id: 193ad08974 (このIDを非表示/違反報告)
甘党 - りとさん！読ませていただいてますが、一つ質問？です！322歩目の話でルフィの事をトンカチと言っていますが、正しくはカナヅチではないでしょうか？すごい細かくて申し訳ないんですけど、気づいてしまったのでとりあえずご報告を…(*'ω'*) (2018年11月26日 18時) (レス) id: de091372b0 (このIDを非表示/違反報告)
ミカン(=･ω･=)(プロフ) - りとさん» そうでしたか！お返事ありがとうございますｍ(＿ ＿)ｍ (2016年8月18日 18時) (レス) id: 86f8ae39c8 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - ミカン(=･ω･=)さん» ミカンさん、コメントありがとうございます。理由としては２つあって、１つは作者が面倒に思ったから。もう１つはない方が文字数が稼げるからです。別段意味はないですよ(*^o^*) (2016年8月18日 18時) (レス) id: 78fb09e763 (このIDを非表示/違反報告)
ミカン(=･ω･=)(プロフ) - 質問いいですか？なぜ途中からセリフのとこに名前を付けなくなったんですか？変なこと聞いてごめんなさい！これからも頑張ってください^^ (2016年8月18日 18時) (レス) id: 86f8ae39c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りと | 作成日時：2016年4月26日 14時
