301歩目 ページ14
「あら、知ってたの？」
ナミが少し意外そうにこちらを見た。
「ああ、昔教えてもらったのさ…」
そう言って、私はその島を眺めた。いつか聞かされた島をこの目で見ている。ほんの少し前の私には、信じられない"奇跡"だ。
「海賊王が死んだ町…！！」
ルフィがポツリとつぶやく。それを聞いたナミがいたずらっぽく笑った。
「行く？」
"
「ウーッ！！でっけー町だー！！」
「この場所から、大航海時代が始まったのか…」
この島の広場には海賊王を処刑した処刑台があるという。
(時代を変えた場所…か。見てみたいな…)
「よし！！おれは死刑台を見てくる！！」
一言そう言うと、ルフィは人混みに向かって歩き出す。
「ここはいい食材が手に入りそうだ。…あといい女♡」
「おれは装備集めに行くか！」
「おれも買いてェモンがある」
各々がそう言って、行きたい方に歩き出した。が、ゾロがナミを振り返る。サンジやウソップには多少金があるが、今のゾロは一文無しだ。
そんなゾロにナミはにっこりと笑った。
「貸すわよ、利子３倍ね♡」
えげつない利子の付け方だが、背に腹は代えられなかったらしい。ゾロは一瞬顔をしかめたが、渋々金を受け取って人混みの中に消えていく。
「さて、私も行くとするかね…」
「待って、A」
いきなりナミが私の肩を掴んだ。
「あんた、服は？化粧は？櫛は？」
「船にあるので全部…。それに、別にどうでもい─」
「あんたねェ…！！」
「わッ！？」
ナミが私の腕をつかむと、街の中へ引きずっていく。
「そういうのはちゃんと気にしなさいよ！見てくれはいいんだから！！」
「別にいいって…」
ノリ気じゃない私を、ナミが服屋に引きずりこんだ。逃げ出す間もなく、ナミが次々と私に服を当てていく。
「んー…これは似合ってる。あ、でもこれは駄目ね…」
「あんたは見ないのかい？」
「一緒に見てるから気にしないで」
そう言いながら、次々と私の腕に服を重ねていく。
「ハイ、コレ。着て」
「…全部？」
腕の上に山のようになった服を見上げて、私は眉をひそめた。
「当たり前でしょ」
「…本気？」
「ほら、さっさと着る！！」
そう言うと、ナミは私を試着室に押し込んだ。
(これは…疲れそう…)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 247人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りと(プロフ) - 甘党さん» あ、ありがとうございます〜！トンカチって書いてましたか…！すぐ修正しときます〜！！ (2018年11月26日 18時) (
レス) id: 193ad08974 (このIDを非表示/違反報告)
甘党 - りとさん！読ませていただいてますが、一つ質問？です！322歩目の話でルフィの事をトンカチと言っていますが、正しくはカナヅチではないでしょうか？すごい細かくて申し訳ないんですけど、気づいてしまったのでとりあえずご報告を…(*'ω'*) (2018年11月26日 18時) (レス) id: de091372b0 (このIDを非表示/違反報告)
ミカン(=･ω･=)(プロフ) - りとさん» そうでしたか！お返事ありがとうございますｍ(＿ ＿)ｍ (2016年8月18日 18時) (レス) id: 86f8ae39c8 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - ミカン(=･ω･=)さん» ミカンさん、コメントありがとうございます。理由としては２つあって、１つは作者が面倒に思ったから。もう１つはない方が文字数が稼げるからです。別段意味はないですよ(*^o^*) (2016年8月18日 18時) (レス) id: 78fb09e763 (このIDを非表示/違反報告)
ミカン(=･ω･=)(プロフ) - 質問いいですか？なぜ途中からセリフのとこに名前を付けなくなったんですか？変なこと聞いてごめんなさい！これからも頑張ってください^^ (2016年8月18日 18時) (レス) id: 86f8ae39c8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りと | 作成日時：2016年4月26日 14時
