289歩目 ページ1
「なッ…！？」
ノジコの顔がサッと青ざめた。
「ちょっと、待ちなさいよ…いい加減なこと言わな…！！」
「もうかなりの人数が上陸してきたみたいだよ……目的地は…あんたの家のミカン畑」
ノジコの目が大きく見開かれる。
「何言ってるの…？あんた…、だって、"それ"は…」
「…教えてくれるんだよ。"親切な"風が吹いてるんだね、この島は」
静かにそう言って、私は息をついた。
「あんた、もう言いたいことは言ったんだろう？なら、もう目的は済んだんだ。さっさと帰りな」
ノジコがなにか言おうと開いた口を、ゆっくりと閉じた。
「どうせあんたに何言われようと、こっちは意見を変える気がないんだったら。早く家に戻るのが得策だよ」
「…本当なんでしょうね？」
「自分の目で確かめればわかる」
「…わかったわよ」
「…気を付けてね」
ノジコが走り去ったあと、ウソップが私にひとつ声をかけた。
「お前の言ったこと、嘘じゃねェだろうな」
「なんだい、信じられないのかい？」
「当たり前だろうが！なんだよ、風が教えてくれた、みたいな言い方して…」
「実際、そうなんだよ」
ウソップが怪訝そうな顔をする。
「まあ、いいさ。いずれわかることだしねぇ…」
そんな言うとクルリと体の向きを変え、ノジコの走り去った方に足を向けた。
「お、おい、どこ行くんだよ！｣
「答え合わせ」
そう言って、私はニィと笑った。
「おい、マジかよ…！」
「さっすが、Aさん♡」
港に停泊している船に、私はひとつため息をついた。
「当たらない方が嬉しかったんだがねェ…こうなっちまったら、事態は最低最悪になる」
その時、港に風が強く吹いた。その時運ばれた"声"に、私は眉間に皺を寄せる。
「もう、最低最悪"だった"か…」
私は額を抑えた。
「行こう。コトが動き始めたよ」
「また、"風"か？」
「そうさ」
港に背を向け、街に向かって歩き始めた。が、変だ。
「…？」
人の多く通りそうな大通りにまで来たのに、異様なまでに静かだ。アーロンの支配下に置かれているとはいえ、人がこんなにいないものか。
(…！！まさか…)
風が運ぶ声に、私は背筋が冷たくなった。
(人の…たくさんの人の…"怒り"が聞こえた…)
方角は、"
「なんてことを…」
誰もいない街を進み続けて、私は足を止めた。誰もいない道の真ん中に見覚えのある姿があった。
「ナミ…」
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りと(プロフ) - 甘党さん» あ、ありがとうございます〜！トンカチって書いてましたか…！すぐ修正しときます〜！！ (2018年11月26日 18時) (
レス) id: 193ad08974 (このIDを非表示/違反報告)
甘党 - りとさん！読ませていただいてますが、一つ質問？です！322歩目の話でルフィの事をトンカチと言っていますが、正しくはカナヅチではないでしょうか？すごい細かくて申し訳ないんですけど、気づいてしまったのでとりあえずご報告を…(*'ω'*) (2018年11月26日 18時) (レス) id: de091372b0 (このIDを非表示/違反報告)
ミカン(=･ω･=)(プロフ) - りとさん» そうでしたか！お返事ありがとうございますｍ(＿ ＿)ｍ (2016年8月18日 18時) (レス) id: 86f8ae39c8 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - ミカン(=･ω･=)さん» ミカンさん、コメントありがとうございます。理由としては２つあって、１つは作者が面倒に思ったから。もう１つはない方が文字数が稼げるからです。別段意味はないですよ(*^o^*) (2016年8月18日 18時) (レス) id: 78fb09e763 (このIDを非表示/違反報告)
ミカン(=･ω･=)(プロフ) - 質問いいですか？なぜ途中からセリフのとこに名前を付けなくなったんですか？変なこと聞いてごめんなさい！これからも頑張ってください^^ (2016年8月18日 18時) (レス) id: 86f8ae39c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りと | 作成日時：2016年4月26日 14時
