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可愛らしく鈴の鳴るような声。
俺らの中でちっちゃいと称されるうらさんよりも小柄で可愛らしい女の子。
俺らの通う学校と正反対にある女子校に通っているいわばお嬢様。
SNS関係に疎く携帯を触っているのをほとんど見ることがない。
「うらさんええよなぁー、あの子と挨拶出来て」
「挨拶程度じゃん。そんなんだったらさかたもすれば？」
「えー、俺はええよ。あの子とはちゃんと出会いたいシチュエーションがあるねん。挨拶を交わす所から始まる恋はいやや」
絶対に挨拶をしない。それには理由がある。
俺がしたいのは少女漫画によくあるようなロマンチックなシチュエーション。
よくあるのだと曲がり角でぶつかったり、ナンパされてるのを助けたりとか。
だが、上記の二つは出来ないのだ。
天使ちゃんは遅刻することのない優等生タイプだし例え忙しくても走ることは無い。
ナンパされてるのなんてロマンチックな恋が始まるどころか終わってしまう気がする。
「ってかさぁ、お前の好きなシチュエーション？ ってなに？」
「俺ー？ 俺はねぇ、少女漫画みたいなやつ。それで出会った後にもう一回会って恋に落ちるってーの」
「ふぅん。そんな上手くいくもんなの？」
自分から聞いたのに興味なさげな反応でそう問われる。
「んー、俺の考えてんだと大成功なんやけど……」
「へー。ま、とりあえず頑張れば？」
「……言われんくても頑張るわ」
クスリと綺麗に微笑んだうらさんに軽く言葉を返して立ち上がる。
「急ぐの？」
「そっ。あの子が家出る時間やからね」
えぇ、と不服そうなうらさんを連れて駆け出す。
早く行かないとあの子とすれ違えない。
早く行かないとあの子の笑顔が見れない。
早く行かなきゃ、ただその一心で道を走った。
「……あー、ごめん。俺日直だ」
「まじで！？ うらさん急げー！」
俺に協力してくれてありがとう。
心の中でそう告げてゆっくりと歩き出す。
「あ、あの！」
「へ？ どうしたん？」
「ハンカチ、落としてないですか？」
よく通る声が俺の耳をふわふわと彷徨う。
この子は自分が傷付いてしまうくらいに優しい。
俺がこの子が傷つかない様にそばに居てあげないとだめだから。
ぱっちりした瞳を更に大きくして見つめる彼女に笑顔で ありがとう と告げる。
「名前は？」
「A、です」
「よろしくなぁ、Aちゃん」
ニコッと微笑んで述べればAちゃんはふわっと花の咲くような笑顔を浮かべた。
――今、君との
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なのなの-VII(プロフ) - 以前から気になっていたのですが、時間がなく、やっと拝見させていただくことができました。私の少ない語彙力では、気持ちを全て伝えることができないことが悔しいです。なので、一言だけ。とても、素晴らしかったです。 (2019年12月9日 23時) (
レス) id: 3d69e77dfd (このIDを非表示/違反報告)
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