29-2.望と私【リク】 ページ49
〆．
「自己中やなぁ。Aが寝た後、俺することないやん。起きておらんかったら文句言われるか思うてずっとおったけど、そのせいで予定潰れたわ」
面倒くさそうに頭をかくこの人は、本当に望？
「わがままなんもええ加減にしぃや？……ま、ええけど？こんなん、今日で終わりやからな」
「終わり、って………」
「別れよ。Aより好きな子できたから」
「そ、そんな……」
「じゃあな」
背中を見せる望。
「待って、望……！」
望は止まらない。止まってくれない。
もう、私の隣にいてくれない。
「いやあああああっ！！！！」
「A！！！！」
「っ、！？」
望が私の肩を揺さぶる。
「なっ、」
「Aがっ！！悪夢にうなされてるから……っ」
「あく、む」
「Aという存在が激レアで、そんなAの寝顔を拝めるのは金をいくら積んでも味わえない奇跡で、さらに悪夢を見てうなされてるやなんて………
でもやっぱりAが苦しんでるんは嫌やから、葛藤して起こした！」
「か、葛藤はしたんだ……」
いつもの望だった。
私のことが大好きな望で、私が大好きな望だった。
「……っ、望〜〜！！！」
ぎゅうう、と抱きつけば、またいつもの不思議な声を発しながらも私をしっかり抱きとめてくれる。
「こわかった……っ！望が、望がどこか行っちゃうからっ！私のこと嫌になって………もう、隣にいてくれないのかと、」
望がここにいてくれることに安心して、涙がポロポロこぼれた。
「………あほやなぁ。俺がAのこと嫌になるわけないやん。俺がAから離れるわけないやん」
子どもをあやすみたいに、背中をぽんぽんしてくれる。
「だいじょーぶ、だいじょーぶ」
「望……っ」
「(基本的に何もこわがらへんAが俺がどこか行ってまうことに対して恐怖を感じて涙を流すやなんてこれはもう最高過ぎご褒美結婚するしかないですねプロポーズして新婚初夜を迎えて俺の愛をAにたっぷり注ぎ込ん…)」
「いつも通りだ、いつもの望、ううっ」
「A！！大丈夫やで、次のステップは同棲！一緒に暮らしてたら、Aも安心やんなっ？」
「最終目的がとてもよくわかる………望と一緒にいられるのなら、ぜひ」
望の目がハートになった。
「いっぱい、あんなことやこんなことできるねっ？」
急に荒くなる鼻息にまた愛しさを感じた。
〆．
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林檎(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！！ニヤニヤしながら読んでます笑更新頑張ってください！ (2019年7月16日 22時) (
レス) id: 9baa2abd91 (このIDを非表示/違反報告)
みるくぷりん(プロフ) - 私、剣道部なのですが、ほんとに竹刀、防具匂います！クラスの友達にアンタこんなのつけてやってんの！？と、言われましたとさ笑 (2019年4月3日 22時) (レス) id: 5c6cbd628f (このIDを非表示/違反報告)
ゆーき(プロフ) - これ好き (2019年3月8日 1時) (レス) id: b98f2652d5 (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - WEST大好きで緑と青とピンク色寄りのオールジャス民です最高です (2019年2月23日 17時) (レス) id: a31ea93868 (このIDを非表示/違反報告)
たぬき(プロフ) - 淳太くんと流星が主人公を取り合ってるのが見たいです！ (2019年2月22日 22時) (レス) id: 9e0f7d62f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はゆな
| 作成日時：2019年2月14日 19時
