望くんと彼女。

20-2.流星と望【リク】 ページ32

〆．



そうしてお互いに望へのプレゼントを入手し、日も暮れた頃。



「今日はありがと」



「んーん」



「じゃあまた、学校でね」



ひらひら、手を振った。



そのまま背を向け……



………………る、ことはできなかった。



「………………流星？」



「A、好き」



「ん、？」



振っていた手は流星の大きな手に包み込まれ、ぐっと距離が縮まる。



「好きやって言うた。伝えるつもりなかったけど、別に言うだけならええやん？」



な？と言うけど、よくな……



「ええわけないやろ！！！！」



「！？」



流星の手は一瞬で離れ、大きな影が間に入る。



「俺のAに何してくれとんねん！！」



「あ、望やん」



しゅ、修羅場。



突然の告白に動揺を隠せないことも相まって、望はますます不機嫌に……。



「A」



「あ、えと、」



「……ありえへん、あのAにここまで動揺させるなんて」



あのAってどのA。



望の私に対するイメージって、多分あれだよね、余裕ある感じ。



まあそうなのかなぁ……。



「行くで」



「ちょ、望っ」



「流星またな！！ふんっ！！」



「おう、またなー」



何この二人。



修羅場と無縁か。



先程の流星のストレートな告白と、なぜか私の居場所をつきとめた望。



衝撃的すぎる。



「全力で見つけ出したわ。それよりも、お仕置きやからな」



「……男らしいね？」



「軽く煽ってくんのやめてや」



「男らしい望も好きだよ」



「…………やからさぁ」



たどり着くのは、望の部屋のベッドの上。



余裕がなくなった望は、「嫉妬させるとかええ覚悟やんか」と、なぜか意地悪になってしまっていた。



………この人、さっきまで私の居場所をありとあらゆる手を使って探してたんだろうな。



そう思うと微笑ましいんだけれど。



〆．

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