ACT167.境遇〜親近感〜 ページ23
放課後の練習が終わり辺りは既に暗くなる、咲凛はグラウンドで一人残っていた。
咲凛「・・・龍の息吹！！。」
ゴール前で夢香の必殺技を打つも途中で勢いが消えた、ゴールに入らず曲がりゴールポストに当たり跳ね返る。咲凛はボールの動きを見て胸でトラップする。
今度はノーマルシュートを打つもまたゴールポストに当たる、その勢いがついたまま咲凛はボールを取り損なったが誰かがそのボールを取った。
吹雪「今のはかなり迷いのあるシュートだね。」
咲凛「吹雪さん・・・！？。」
先に帰ったのではと驚く。
吹雪「君のことが気になってね。」
吹雪は咲凛の隣に来る。
吹雪「ヒナミちゃんから聞いたよ、3年前夢香ちゃんのことを。それ以来夢香ちゃんの人格があることを、短い間だったけどまだ北海道にいた頃僕にも感じたよ、咲凛ちゃんの中に別の人格があるのを。」
咲凛は何も言わない。
吹雪「僕にもね、昔君と似たような時期があったんだ。」
咲凛はえっ？と吹雪を見た。
吹雪「僕にも弟がいてね、性格もポジションも正反対。だけどお互いサッカーが好きっていう所は同じだった。」
私と夢香と同じだと思う。
吹雪「僕もね、小さい頃両親と弟を亡くしてるんだ。」
雪崩れでねと話す吹雪。
吹雪「その前に父が言ってたんだ。僕と弟が揃えば完璧だって。両親と弟を亡くしてから僕は完璧を求めるようになった、そしていつしか弟の人格を持つようになって、僕が弟になることで完璧になれるって思った。そして周りも、みんな僕じゃなくて弟が必要なんじゃないかって・・・。」
咲凛「(私と・・・同じ。)」
吹雪「だけどそれは違うんだって気付いたんだ、父が言っていたのは僕が弟になることじゃない。仲間と一緒に戦うこと、１つになることなんだって。」
咲凛「１つに・・・なる？。」
吹雪「うん、だから咲凛ちゃんも分かるはずだよ。咲凛ちゃんは一人じゃない、君のことをすごく心配してる人だっているはずだよ。」
咲凛「私にそんな人なんて・・・。」
吹雪「僕はずっとヒナミちゃんに支えられてた、一時は精神崩壊したときもずっと支えてくれたんだ。だから咲凛ちゃんだっているんだよ、ずっと支えてくれてる人を。」
咲凛は顔を下を向く。
吹雪「お互い似た境遇を持ってるからだよ、だから僕も放っておくことができないんだ。」
吹雪は咲凛の頭を撫でながら言った。
ACT168.再会〜雪村豹牙〜→←ACT166.相談室〜予兆〜
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 17人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
春空 - あおいさん» ありがとうございます！！。そう言っていただいて嬉しいです！！。 (2021年11月14日 13時) (
レス) id: b7944ac591 (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - 最初から最新話まで読ませていただきました！とても面白くてこの先どういうお話になっていくのかとても気になります！これからも更新頑張ってください！ (2021年11月13日 22時) (レス) @page40 id: fde09eb5f8 (このIDを非表示/違反報告)
アサリ - すみません (2021年11月6日 8時) (レス) id: af09d471c0 (このIDを非表示/違反報告)
春空 - アサリさん» 更新停止をするなんて一言も言ってませんが；；。 (2021年11月6日 8時) (レス) id: b7944ac591 (このIDを非表示/違反報告)
アサリ - 無理はしなくていいですけど更新停止はしないでください (2021年11月5日 19時) (レス) id: af09d471c0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
