第5話 ページ6
ゆられに揺られてもう豊臣の城門をくぐった。
輿の中から見る城は、とても大きくて太陽の光に反射されて、とても綺麗だった。
輿から降りると、豊臣の兵様、家臣様、女中様達がずらりと並んでいた。
そして、私がその人達を見据えると、途端に目を大きく見開く豊臣の方々。
中には顔を真っ赤にする人や、俯く人、声を上げる人、ため息をつく人。
きょろきょろ周りを見る人、私をちらちら見る人。
様々な反応をする人がいて、思わずくすり、と笑ってしまった。
すると、また顔を赤くしたり俯いたり･･････と反応は様々。
でも、とてもみんな和やかで。
とてもいい所なんだな、とはすぐに分かった。
軽く会釈して、祝言に臨んだ。
大広間には、これまた沢山の方々。
そして、凄く目を引く人一倍きらびやかな人。
明るい茶髪に、大きな瞳。
その目は野心に満ちていて、凄く魅力的だった｡
ひと目で分かった。
この人が、
『豊臣･･････秀吉、様』
だってこと。
心臓がどくん、どくん、と忙しい。
なり止む気配も無く、頬が上気していくのがわかる。
もっと、ずっと見ていたいような──。
──これを、一目惚れというのでしょうか。
私は、この方が好きになってしまいました。
自然と頬が緩むのを感じて、それを止めませんでした。
席について、一言言った。
秀吉様と顔を合わせるのは、これが初めて。
さっきは私の一方的だったから。
顔を上げて、秀吉様の瞳を見る。
『初めまして、秀吉様』
「･･････っ！」
私の視界いっぱいに、秀吉様の顔が映る。
顔を紅くしていて、凄く目を見開いていた。
さっきの顔は凛々しかったのに、この顔はなんだか可愛らしい。
その顔がやけに眩しくて、目を細めて、また微笑んだ。
「･･よ、ろしく･･･っ」
初めて聞いた貴方の声は、とてもぎこちなくて｡
でも、温かさがあって、凄く好き 。
秀吉様が、また好きになった 。
そのまま、無礼講の宴が始まった。
あ、このお魚美味しい。
私が魚の煮付けを咀嚼していると、秀吉様が話しかけてきた。
「あんたさ、花姫って呼ばれてるんでしょ？」
『そうらしいですね』
魚を飲み込んで、苦笑しながら言う。
「花も好きなんでしょ？何の花が好きなの？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 83人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
マスラ - 初めまして！とても面白いです！続き楽しみにしています。更新頑張ってください！(*^_^*) (2019年2月9日 17時) (
レス) id: 9b6ae3d64f (このIDを非表示/違反報告)
奏琉斗 哀 - コメントありがとうございます。そうですよね、秀吉、私も好きです^^* (2018年10月20日 18時) (レス) id: ddcd85e1ba (このIDを非表示/違反報告)
奏琉斗 哀 - ニャン武士(^･x･^)さん» ありがとうございます。遅くなりますが、この後投稿させていただきます。 (2018年10月20日 18時) (レス) id: ddcd85e1ba (このIDを非表示/違反報告)
沖田総司 - キャー秀吉可愛い！ (2018年10月17日 23時) (レス) id: 61bbaa65c6 (このIDを非表示/違反報告)
ニャン武士(^･x･^) - 面白いです！更新頑張ってください！ (2018年10月11日 2時) (レス) id: 3f82ed1d40 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：奏琉斗 哀 | 作成日時：2018年9月22日 21時
