第1話 ページ2
『花は、今日も綺麗だなあ 』
私はいつも通り、庭に綺麗に咲き誇っている花を見ていた。
今は桜が蕾をつける弥生の終わり。
太陽の陽も暖かく私を照らす。
『ふふ、』
私が自然と微笑んだ時。
「碧珠、いますか?」
と、母上が私の部屋に来た。
『縁側にいます』とだけ答え、私も部屋へ向かう。
「ああ、縁側にいていいわ。」
と、私が立った時、母上が部屋の襖を開けて縁側に出た。
そのまま二人で向き合って座る。
『どうなさったのですか?母上』
母上は忙しいから、あまりここには来られないはず。
何か、とても大切な用でもあるのかな…?
私の考えは当たったようで、母上は真面目な顔付きになった。
「今日、ここに来たのは大切な用事があるからなのです」
『はい、母上。それで、用事、というのは?』
「・・・・・・貴方の嫁ぎ先が決まりました。」
『・・・・・・!そ、それは真ですか?!』
私は物心ついた時から、どこへ嫁ぐのだろう、どんな方なのだろう、と毎日花を見ながら考えていたため、この報せは私にとってとても嬉しいものだった。
(あ、でも……仲良く出来るのかな…優しい方だったらいいなあ)
『どんな方ですか?』
私はそれが知りたくて、前のめりになりながら母上に問いかけた。
「はいはい、貴方が嫁ぐ方は─
豊臣秀吉殿です。」
『豊臣秀吉…様』
聞いたこともない名前。
それもそうかな、城下に出たことも世間話もした事ないし。
「豊臣秀吉殿は、とても優しい方ですよ。
おまけに顔も良く、頭も冴える…きっとあなたを大切にしてくれます。」
仲良くやるのですよ。
そう、母上に言われた。
『・・・はい!母上!』
母上は優しい笑みのまま、独り言のように言った。
「・・・・貴方は、本当に美しく育ちましたね。
貴方の美しさは神牙一と謳われていて、母上はとても嬉しく思います。」
正直、自分が美しいとは思ったことが一度もない。
鏡を見ても、可愛いのかな、と思ってしまう。
しかし、そんな母上のお世辞はとても嬉しい。
『・・ありがとうございます』
そう、はにかみながら言った。
母上から詳しく聞くと、「貴方は花嫁修業をもう積んであるから、10日後には祝言をあげる」らしい。
秀吉様は、月牙族だって聞いた。
戦もあって、厄魔とも戦う。
今も、戦ってるのかな。
少しだけ、気になった。
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マスラ - 初めまして!とても面白いです!続き楽しみにしています。更新頑張ってください!(*^_^*) (2019年2月9日 17時) (レス) id: 9b6ae3d64f (このIDを非表示/違反報告)
奏琉斗 哀 - コメントありがとうございます。そうですよね、秀吉、私も好きです^^* (2018年10月20日 18時) (レス) id: ddcd85e1ba (このIDを非表示/違反報告)
奏琉斗 哀 - ニャン武士(^・x・^)さん» ありがとうございます。遅くなりますが、この後投稿させていただきます。 (2018年10月20日 18時) (レス) id: ddcd85e1ba (このIDを非表示/違反報告)
沖田総司 - キャー秀吉可愛い! (2018年10月17日 23時) (レス) id: 61bbaa65c6 (このIDを非表示/違反報告)
ニャン武士(^・x・^) - 面白いです!更新頑張ってください! (2018年10月11日 2時) (レス) id: 3f82ed1d40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:奏琉斗 哀 | 作成日時:2018年9月22日 21時