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それがわかるとなんだかとても寂しい気がする。
社長は結婚すらも会社のため。
「社長は、好きな人とかいないんですか」
「え？」
「え？」
社長の声に私は心の声が漏れていたことに気付く。
「あ、すみません、つい……社長は寂しくないのかな、と……」
言い訳をしながら私は焦る。
さすがに唐突な質問過ぎた。
社長は私の顔をしばらく見つめていたけれど、やがて優しい表情を浮かべる。
「ありがとう。心配してくれたんですか」
「いえ、その……」
「大丈夫。俺の好きな人は実莉、そういうことにしておきましょう」
「っ」
社長は張り付けたような笑顔を浮かべた。
左右対称、完璧な笑顔。
私は初めて社長の仮面を見た気になって心がざわりと騒ぐ。
「さあ、仕事しよう」
「……はい」
私は小さな声で返事をした。
社長はすごく気さくな人で、私の音を好きだと言ってくれて、すごく近くで話が出来ている気がしていた。
でも、そんなの私の勝手な思い込みだ。
社長はあまりにも住む世界が違う。
考え方も、違う。
きっと私にはわからないのだ。
社長の生き方も、社長の心も。
ピアノに向かった私はせめてリクエストを聞いておけばよかったと後悔した。
今聞くのはちょっと気まずい。
どんな音楽を奏でるのがいいだろう。
鍵盤に手を置いてしばし考えていると、社長室の扉が開く音がした。
「社長、相葉氏より荷物が届きましたよ」
聞こえてきた名前に私は社長のデスクの方を覗き込む。
部屋に入ってきた二宮さんが社長に小包を手渡していた。
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iCHiKA(プロフ) - のりさん» のり様、お久しぶりです！お待たせしてました、久々の今回は「キスしたいだけ」でございます。こちらこそ今回もありがとうございます。そう言っていただけてとても嬉しいです。お楽しみいただければ良いのですが。今回もぜひ最後までよろしくお願いしますね！ (2021年9月8日 21時) (
レス) id: ca4476f6fd (このIDを非表示/違反報告)
のり(プロフ) - キタ。今回はキスをしたいだけのお話なんですね。しかも思いがけず長編連載。ありがとうございますm(__)m 既に続きが楽しみすぎです。あ、こんにちは。お疲れ様です。余談ですが私にも亜由ちゃん同様カワイ子ちゃん(3人)がいますw (2021年9月8日 16時) (レス) id: 18c83a81d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：iCHiKA
| 作成日時：2021年9月4日 16時
