包み隠さず〜ヘビンside〜 ページ23
A達が出掛けた後、重苦しい沈黙を破ったのはジンギだった。
視線を合わす事なく、俯いた私にぽつりぽつりと話し始める。
ジンギ『ヌナは、僕が言った事 冗談だと思ってる?僕が好きだって言った事 信じられない?』
ヘビン『……だって。私は普通の人だよ。なんの取り柄もないし、ジンギがいる世界の女の人達みたいに綺麗じゃないし…。それなのに、突然告白されて信じろって…。無理に決まってるじゃない……』
ジンギ『……僕だって普通の人だよ。仕事がアイドルなだけで、中身はそこら辺の 同年代の男と変わらないよ。何が不安なの? 僕は、ヌナの恋愛対象にならないの?』
正直に言えば、まともに男の人と付き合った事がない私。
恋愛経験が少ないから、自分に自信も持てない。
ヘビン『私なんかより、ジンギに似合う人はたくさんいるじゃない……。』
思ってもいない事を口にする、天の邪鬼な性格。
ジンギ『……。ヌナは僕をオニュじゃなく、ちゃんとジンギとして見てくれてる。どんなに疲れてても、落ち込んでても、ヌナの明るさと笑顔で救われるんだ……。それに、ちょっとした変化や気分の状態もすぐ気づいてくれるし。僕の独り善がりだったのかな……?』
ヘビン『……。ジンギ。私は不安なの。ジンギが素敵だから、自分が釣り合わないんじゃないかって……。私、気が強いし…』
ジンギ『知ってる』
ヘビン『ガサツだし……。仕事が一番だって思っていたし……。ムダに煩いし……。それに…』
言いながら、涙が溢れてくる。
ジンギ『ずっと見てたんだ。それくらい全部わかってる。それに寂しがりやだし、大丈夫って言いながら無理するし…。全部、全部わかってる。でも、僕はそんなヌナが好きなんだ。』
とうとう私の目から、涙が零れ落ちた。
彼は私の涙を拭いながら、細い目をさらに細めて微笑んだ。
ジンギ『…ヘビン……。返事は?
僕が君を好きな気持ちは変わらない。僕の彼女になってくれる?』
ヘビン『会社にバレたら、私はクビになるかもしれないよ。そしたらどうするの?』
ジンギ『そしたら、僕が責任とるから(笑)ユノヒョン達だって条件は一緒だよ。ヘビンと僕だけが特別じゃないんだ。僕の彼女になってくれる?』
いつの間にか、ジンギは私をヌナじゃなく、ヘビンと呼んでいる。
彼の腕が私を包み込んだ時、私は泣きながら頷いていた。
ヘビン『ジンギがずっと好きだった』
その言葉で、また彼は嬉しそうに目を細めて微笑んだ。
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そらぞう(プロフ) - はい!楽しみに待ってます! (2014年5月15日 20時) (レス) id: f7e9c2c335 (このIDを非表示/違反報告)
慧(プロフ) - そらぞうさん» コメントありがとうございます。あとは、afterstoryの方でそれぞれのお話を書けたらと思ってます。キュヒョンとの絡みもあるかも?しれないですよ。 (2014年5月15日 18時) (レス) id: b16b47566a (このIDを非表示/違反報告)
そらぞう(プロフ) - ホントのラストですか…?お疲れ様でした~。私としてはきゅひょんさんとのラストを期待していましたが、こういう落ち着き方何ですね。長く追い掛けてきて何度も涙しました。ありがとうございました!! (2014年5月15日 16時) (レス) id: 62b339f5e3 (このIDを非表示/違反報告)
慧(プロフ) - あやさん» コメントありがとうございます。只今、ラストを下書きしています。何度も書き直してまして、まだアップできません。お待ち下さいませ。 (2014年5月15日 14時) (レス) id: 35097dfc61 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - ここに来ての初コメです・・・とうとう終わりが来てしまいますね ライブの前日のようなドキドキを味わっています。とっても楽しませてもらいました ありがとうございます!! (2014年5月15日 14時) (レス) id: 01b01bc73b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:慧 | 作者ホームページ:http://ameblo.jp/kei3339/
作成日時:2013年12月15日 18時