270話 ページ26
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藍里「だってお前アホじゃん」
鳴「俺の!どこが!アホなんだよ!」
藍里「Aを泣かせるあたりがアホ」
鳴「人が気にしてるところをいちいち突くんじゃねぇよ」
そもそも泣いてしまった理由がわからなかった
友達だよねと言われて何も言えなかった
期待したかったけど
期待して外れて、ただの自惚れだったとしたら
そう考えると驚くほど何も言えなくなるし
伸ばしかけた手を引っ込めてしまう
鳴「で」
藍里「は?」
鳴「あの学ランのやつは誰なの?一体Aちゃんとどんなカンケーなわけ??」
藍里「…………めんどくさ」
鳴「お前教えるって言ったじゃん!!嘘つくなよ」
藍里「普通によく考えたらわかるでしょあんなの」
鳴「はぁ??わ…わか…わかんないから聞いたんだけど何言ってんの冨田」
藍里「どうせあんたの事だからAのことを好きな男だと勘違いして焦ってんでしょ」
図星だった
ぐぅの音も出なかった
全てを見透かされていた
鳴「そーだよ!!そうだよ!!なんか文句あんの!?」
藍里「ぷぷーっ、だっっさぁ!!」
鳴「お前が男子ならぶっ飛ばしてた」
藍里「へっ、殴れもんなら殴ってみなこちとら柔道の天才って呼ばれたんだよこっちが投げ飛ばしてやるっつーの」
鳴「ドンキーコングの間違いでしょ」
藍里「あ、じゃあもう教えてやんないわ」
鳴「くっっっそーー!!ムカつく!!」
わかる人にはわかるかわいさ
それがAというものだった
そのかわいいがわかるのは自分だけでいい
叶うことならあの笑った顔を独り占めしたかった
でもこれを声に出したら全て終わるのでぐっと堪える
藍里「Aの家は3人きょうだい」
鳴「俺と一緒じゃん」
藍里「あんたの事はどうでもいい余計なことを挟まないで」
鳴「あ、ちなみに俺末っ子ー」
藍里「なるほどだからこんなにワガママで子供っぽいわけだわ」
鳴「お前こそ余計なこと挟んでんじゃん」
言われてみれば
色々話すことはあってもこういう話は聞かなかった
いや、こっちからは何度か話したけど
向こうからそういう話は一切聞かない
正直気になることは気になるが
え?そんなことまで聞くの?うわ…ないわと思われたくないという気持ちが圧勝してしまい
本人の口から聞く機会は皆無に等しかった
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みこ(プロフ) - 初めまして!途中から号泣しつつ、焦ったくてソワソワしてました(*_*)更新楽しみにしてます! (6月3日 23時) (レス) id: f5c0cfc27f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちあき | 作成日時:2022年8月11日 5時