第54夜 ページ9
校長とマクゴナガル先生を呼びに行ったスネイプ先生を視線だけで見送り、僕はまた黙々と頁を捲り始めた
先程からハリーとロンの助けを求めるような視線を受けていたけど、相手にするのも面倒なので無視を貫き通すことにした
「あの、A…僕達が退学にならないようにAからも何か言ってくれないかい？」
「そ、そうだよ！Aの事なら先生達も少しは…」
焦った二人の声を受け、僕は『えー…』と言いながら少しだけ顔を上げた
『ヤだよ、僕関係ないし』
その返答に二人が何かを言う前に準備室の扉が開かれ、僕達は音の方へ視線を移した
部屋に入って来たのは、やはりマクゴナガル先生とダンブルドア先生だった
二人は僕がここに居座っていることに驚いていたが、直ぐにハリーとロンへ向き直って話を始めた
「どうしてこんなことをしたのか、説明してくれるかの？」
ダンブルドア先生の少し失望したような声をバックに僕はまた一人、読書へと戻って行った
それからしばらく経った頃
「さて、Aはこれからどうするかの？」
ポンっと肩に手を置かれた感触に僕は文字の海から意識を浮上させると先生達が僕を見下ろしていた
見た限り、ハリー達は既に退室したようだ
『…疲れたから部屋に戻るよ
先生、お茶、ありがと』
校長達より後ろに控えたスネイプ先生に向けてお礼を言って僕も出て行こうとすると、やはりというかダンブルドア先生が声を掛けてくる
「おや、君は大広間には行かんかの？ せっかくのご馳走じゃと言うのに」
『……それ、嫌味？』
思わず先生に向けてジトリとした目を向ける
僕が大広間で食事を摂る事なんて無いと知ってるクセに、このお爺ちゃんときたら…
「ほっほっほ、気を悪くしたらすまんの」
肩に置かれた手でポンポンと叩かれると、僕も諦めて立ち上がった
「ヘルエレガル、変身術の授業で待っていますからね」
『え。うーん…気が向いたらね…』
マクゴナガル先生の前を横切ると、先生が笑を浮かべて言い放つので僕はしどろもどろに流す
申し訳ないけど、周りと足並み揃えての授業はつまらないからなぁ…
『あはは…、あー、じゃあ…また一年よろしくね、先生』
最後にそれだけ言って扉を締める
そのまま踵を返して自分に宛てがわれた部屋へと足を進めると、やっとホッと息を零した
ほんと、疲れるなぁ…
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たると - 誕生日が、一緒だー!!!!!!!!!!!やったー!!!!!!!!!!!!!! (2020年11月22日 18時) (
レス) id: 4d06b37767 (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - 雪見だいふく魚味さん» ご指摘ありがとうございます！Miss.とMs.が混ざった謎の新しい単語を生み出してしまいました…笑 修正しておきました、報告感謝です！ (2020年2月16日 23時) (レス) id: cf3401d433 (このIDを非表示/違反報告)
雪見だいふく魚味(プロフ) - １つ気になったのですが、第94夜の『Mis,』って，『Ms,』ではないか？と思いました。英語はまだ習い始めたばかりなので，そう言う表現もあるのかもしれませんが，少し気になったので，報告させていただきました。長文失礼しました。 (2020年2月16日 22時) (レス) id: 2d7f9b3bbb (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - オタクさん» ありがとうございます！ ハリーみたいに真っ直ぐなザ･主人公もいいけど、ちょっと複雑な主人公も良いですよね！これからも二人の対比にご注目ください！ (2019年7月16日 0時) (レス) id: cf3401d433 (このIDを非表示/違反報告)
オタク(プロフ) - 光と闇の主人公同士ですな。素晴らしい (2019年7月15日 2時) (レス) id: 3a06b234dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2019年2月8日 21時
