第89夜 ページ44
同じくアラゴグの発言から部屋への入口が嘆きのマートルのトイレだと察しただろうハリー達は、それでもまだ怪物の正体には辿り着けていないようだった
しかし、それも時間の問題
いずれハリー達はハーマイオニーの握るあの紙の存在に気付く筈だ
僕の予想を裏付けるように、ある日の夜、最近は先生達の引率が無いと出歩けもしないというのにハリーとロンがこっそりと医務室に入って行くのを、僕は柱の影から伺っていた
医務室の扉に張り付き耳を澄ませば、やはり二人は彼女の手にある紙に気付いたようだった
一連の事件の答え合わせをし始めた二人から、僕は静かに距離をとった
胸騒ぎがして、一人宛もなく歩く
明確な理由は分からないが、今夜何かが起こりそうなのを直感が告げていたのだ
『けどずっとこうしてるのもなぁ…』
そう、息をついた時だった
「生徒が一人、秘密の部屋に連れ去られました」
『！』
曲がり角の先から、マクゴナガル先生のそんな悲痛な声が聞こえた
咄嗟に気配を殺して曲がり角の先を盗み見ると、ホグワーツの全教員が一堂に会し焦りと緊張を漂わせている
更にその奥には先程まで医務室にいたハリーとロンの姿が
それを確認すると僕は意を決してその場を後にした
「A、聞きたい事がある」
女子トイレに着いて暫くすると、予想と違わずハリー達はやってきた。何故かロックハート先生まで居るけど
腕を組んで手洗い台に寄りかかっていた体を起こすと、待ち伏せしていた僕に驚いた様子もなくハリーが口を開いた
「ハーマイオニーの握っていた紙に"pipe"と書いたのは君だよね
彼女とは毎日隣で授業を受けてる、だから筆跡がハーマイオニーのものじゃないって直ぐにわかった」
『……』
僕は何も言わず続きを促す
「アラゴグから守ってくれたのも、君だ
沢山助けてくれた、だから余計分からなかった」
一拍置いてハリーは続ける
「Aは最初から分かってた、だけど誰にも真相は打ち明けなかった
それは罪じゃないのかい？」
真正面から言われ、俯く
「……ねぇ、Aは敵なの？ それとも、味方…？」
けれど逃がさないと言わんばかりの視線に、僕は諦めて顔を上げた
『…僕は黒の寮だからね。"クロ"じゃないの』
「っ…、じゃあ敵？」
『さぁね、でも責任は取るつもりだよ』
はぐらかす態度にハリーが眉を寄せた
『早く行こう。ここを開けられるのはハリーだけだよ』
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たると - 誕生日が、一緒だー!!!!!!!!!!!やったー!!!!!!!!!!!!!! (2020年11月22日 18時) (
レス) id: 4d06b37767 (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - 雪見だいふく魚味さん» ご指摘ありがとうございます！Miss.とMs.が混ざった謎の新しい単語を生み出してしまいました…笑 修正しておきました、報告感謝です！ (2020年2月16日 23時) (レス) id: cf3401d433 (このIDを非表示/違反報告)
雪見だいふく魚味(プロフ) - １つ気になったのですが、第94夜の『Mis,』って，『Ms,』ではないか？と思いました。英語はまだ習い始めたばかりなので，そう言う表現もあるのかもしれませんが，少し気になったので，報告させていただきました。長文失礼しました。 (2020年2月16日 22時) (レス) id: 2d7f9b3bbb (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - オタクさん» ありがとうございます！ ハリーみたいに真っ直ぐなザ･主人公もいいけど、ちょっと複雑な主人公も良いですよね！これからも二人の対比にご注目ください！ (2019年7月16日 0時) (レス) id: cf3401d433 (このIDを非表示/違反報告)
オタク(プロフ) - 光と闇の主人公同士ですな。素晴らしい (2019年7月15日 2時) (レス) id: 3a06b234dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2019年2月8日 21時
